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一方でアメリカ大統領選に目をやると争点になっているのは多様性と白人至上主義の戦い、イケドンの新自由主義と社会民主主義の戦い、孤立主義と国際協調の戦い、環境問題を直視する世代と無視する世代の戦い、差別と寛容の戦いです。
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以上でごく一部でした。おそらく経済環境が良いと「おしゃれな多様性」だとかリベラル目線の構成も増えるのでしょう。実際、バブル期の「なんでもあり」なテレビ文化の中にはさまざまなオルタナティブ文化や主流から外れた価値観が生息できていました。ですが今は余裕がない。先も見通せない。
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「ユアタイム」に出演していた当時から「テレビは泥舟だな」と思っていて、それを文春Webで長文記事にしたこともありました。
ショーンKの後任、モーリー・ロバートソンが書いた「ショーンK問題の真相」 #モーリーロバートソン #ショーンK #文春オンライン bunshun.jp/articles/-/2?u…
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そのしわ寄せが「やっつけで乱暴な、ポルノ的演出」という形で現場に降りてきてしまっている。とにかくテレビの元気がない。
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◎「日本をほめる外国人枠」のようなものの存在を以前から感じていましたが「日本をほめまくる日本人枠」も出現しているように感じます。
◎出演者が安い「感動」に涙する場面がお約束で「もういいよ」と思うほど盛り込まれる。
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また、番組の制作サイドと連携しているのかどうかはわからないのですが、こういう記事はもう無しにしたほうがいい>
『ネプリーグ』フジ新人アナが“爆乳”ブルンブルンッ!「女も興奮するデカさだ」 (2020年8月25日) - エキサイトニュース excite.co.jp/news/article/M…
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この記事が「ごく一部の下世話なメディア限定」だとしても公開されている以上、女性アナウンサーを性的な商品へと貶める記事であることは否めません。「女子アナ」「乳」で検索して注釈なしで記事が出てくる構造自体に暴力性があります。
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◎若い女性を「昭和のオヤジ目線」でキャスティングする傾向。これはもう定番ですが #MeToo 以後、本当に世間の価値観は変わってきています。テレビは追いつく必要がある。
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◎直接・間接の「いじめ」が盛り込まれる場面が増えた。例として「クイズに答えられなかったら罰ゲーム」「チームメートになじられる」「高学歴なのに低学歴のタレントでもわかる問題がとけなかった」などなどです。あるいは女性出演者の年齢をアイドル、新人アナと比較する形で「いじる」演出。
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出演者同士がある種の「視聴者サービス」でいじり合い、いじめ合う演出もあれば編集や進行で見ている人がその「いじり」や攻撃に参加できるようにうながすものなど、種々雑多です。昨今、こういった演出が過剰であったため犠牲者も出ています。
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◎出演者をキャラ設定や肩書などではめ込む傾向。自分に限って言うと「東大とハーバードに同時合格」がテロップに流れる場合が多いです。40年前の快挙(確かに快挙ではあった)に驚く人がいることも否めませんし、それで出演できるのならまあいい、という按配なのですが、そこに押し込みすぎる。
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しかるに、ここに至ってテレビというものが「tipping point」つまりクラッシュの一歩手前まで来ているのではないかと最近実感するようになりました。直接の名指しはしませんが、コロナ蔓延以降、全体的に以下のようなトレンドを感じています。リストは長くなります。
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◎番組のコーナーがステルス・マーケティングとして構成されている。出稿したと思われる企業の商品やサービスを出演者が礼賛する組み立てになっているが、往々にして出演者はこのことを事前に知らされていない。
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さて、このようにコロナ・政治・五輪不安などに加えてそもそもネット配信およびネットの浸透によって圧迫されているテレビそのものの業態があります。後者の「ネットの脅威」に対しては逆によくここまで持ちこたえたなと感心しています。
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◎報道、バラエティーともに瞬発的なセンセーショナリズムを追う演出が以前より目立つようになった。
◎生煮えの企画が多く、見切り発車の頻度が増えている。情報番組ではファクトチェックが入念になされない。
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安倍総理の辞任も追い打ちとなり、五輪開催には暗雲が漂っています。
「求心力」失い東京五輪開催見通せず…安倍首相辞任表明、スポーツ界にも衝撃:東京新聞 TOKYO Web tokyo-np.co.jp/article/51837
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まずテレビ・メディア業界がコロナウイルスで経営に大打撃を受けているのは周知されている通りです。
民放キー局の4~6月、4社が最終減益:日本経済新聞 nikkei.com/article/DGXMZO…
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これらはスポンサー環境の冷え込みを意味し、民放テレビ業界にはさらなるダメージとなります。今後番組の再編成、制作費(ギャラ、人件費)の圧縮などは避けられない流れが見えてまいります。以上、ほぼ情報価値のない前置きをさせていただきました。
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唐突ですが意見表明をします。今後のテレビ出演ではいじめ、決めつけ、ステレオタイプ、ジェンダー差別、ステマ、ファクトチェックされていない情報流布になるべく抵抗することにしました。生放送では勿論やりますが、収録ではカットされてもやります。以下、長く深くなりますが私の考えを解説します。
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どうせ「バカ」って言われる話をしているから最後まで言います。中国の独裁政権は民主主義や言論の自由を力で統制できると思いこんでいます。一帯一路だの南シナ海だの孔子学院だの5Gだの。へえ、そうなんだと。しかし中国共産党はカオスを理解していない。おそらくそれが命取りになるで。
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WHOの責任は棚に上げ、台湾批判のテドロス事務局長 中国の陰謀という指摘
news.yahoo.co.jp/articles/f0994…
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「不心得な主催者や出演者、ファンを攻撃する」ことよりも「コロナウイルスと最善の向き合い方をする」ところに会話(カンバセーション)を移していけたらなと思います。
最後にゆっこ、がんばれ!!
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また、主催者が明らかにずさんな対応をしていた場合、スタッフや出演者が声を上げて改善を要求できる「空気」を作ることも大切です。声を上げて不都合を起こすことのマイナスより、声を上げずに内外に感染が広がるのを止めないことのマイナスの方が大きいのだという視点の転換です。
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というレスポンスが重要になります。加えて、感染した関係者がバッシングを恐れずに情報公開ができる環境、つまり世論換気も大切になります。「千秋楽まであと2回だから、ちょっと体調が悪いけど乗り切ろう」といったインセンティブが生じないようにする。
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重要なのは透明性です。今後、他の公演からクラスタが出る可能性もありますが、その際に
◎隠すのではなく速やかに情報公開する
◎感染拡大に至った過程を検証する
◎ダメージの拡大を食い止める
◎演劇業界および広く社会への周知徹底
◎改善されたプロトコルで継続
◎それをぜんぶやってだめなら自粛