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20代の作画スタッフがシン・仮面ライダーを観てきたそうです。
映画は観るけど特撮にハマっているわけでもなく平成以降のライダーも観ていない若者なので僕からも特におススメしなかったのですが、友人と観てきたそうです。
で感想なんですが。「めちゃくちゃ面白かった」とのこと。
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僕にとってはシン・仮面ライダーはヒーロー映画って言うカテゴリーって言うよりは「革ジャンパンク映画」という印象で、絶滅したと思ってた貴重なジャンルの映像をまた体感出来て、魂が震えました。
(山口貴由)
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若者との感性のズレを恐れる僕にとっては朗報でした。
いや凄いでしょシン・仮面ライダー。
「ヒーロー映画なのに人命救助の場面とか無いんすね」と言う若者に、「石ノ森ヒーローってのは、同族間で争うのが物語の骨格なんだよね。知らないけど」と平静を装いました。
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\#山口貴由 氏
最新コメント/
「20代の作画スタッフに「好きな映画を3本挙げてください」と問われた。こうした質問を受けて、最近観た大作映画を三本、即答出来る人たちは健全な人だと思う。自分などは長考したあげく一本も答えられなかったことも多々ある。気軽に質問した側にとっても(続)
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作品を面白くするのは大事だが、
作品を始めた時、どんな心情に寄り添って書こうと思ったのか忘れてはいけない。
劇光仮面は幸せ行きの最終列車を見逃した者たちの心情に寄り添う。
(山口貴由)
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劇光仮面は何冊か先まで展開を用意してあり、それに沿ってネームを作っている。最近、担当との打ち合わせでよく出るワードに、“本作における読み手の期待が、我々の用意した物語の面白さを上回っているのではないか“。(1/2)
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表現者たる者、自分自身が人生の主役であることを疑いもせず、自分自身の創作に何よりも圧倒的な興味があって、世間が何と言おうと最高最第一の作品。
そんな風に思えた時代はとっくに過ぎ去ってしまいました。
慢心も過信も表現においては魅力であり、実力であると思っているのに。1/3
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作家と呼ばれる人たちの"物語を紡ぐ能力"というものはいったいいつどこで培われるものだろうか。
ネームに苦戦して大の字に倒れた時に考えたりします。
たぶんプロの作家というのは、音楽や格闘技のプロと同じく3歳以前から"物語"なるものに触れているのではないかと推察するのです。1/7
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デジタルの作画がもたらすものを恐れていて、いつか自分の画業に時代遅れの烙印を押し廃業に追い込むだろうと思っていました。
「僕はたぶんアナログと心中すると思います」みたいなことを言った時、平田弘史先生に「そういう了見は間違っている。デジタルは人間の味方だ」と窘められました。
(続く)
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あと僕が今年、凄いと思ったマンガを3つだけ挙げさせて頂くなら、細野不二彦「恋とゲバルト」、アラン・ムーア「プロビデンス」、堀北カモメ「ゲモノが通す」ですね。
(山口貴由)
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迷惑な話だろう。
若い頃の自分は、好きな映画を語る時、より自分が賢く奥深く見えるような作品を選んでいたように思う。全く赤面ものだ。
そういう時代をようやく過ぎ去った自分が素直に三本の映画を選ぶなら、一本目はリドリースコットの「エイリアン」。これは30年以上、(続)
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「これ描いて死ね」に出てくる表現者の卵たちが触れている"素晴らしい何か"。僕がそれに気づいたのは割と最近かも知れない。
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内容を吟味して悩んで答えるようなものではなく、指折り数えて一番たくさん観た作品こそが一番好きな映画なのではないかと。そう思うわけです。
そんなわけで、自分が最も回数を観た作品ですが、これは1974年の「ゴジラ対メカゴジラ」になります。(続)
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\#山口貴由 氏
最新コメント/
「医療ものとかじゃないのに、内臓とかが出てきたりするマンガは苦手。劇光仮面はそういう真っ当な感受性を持った貴方にも読んで頂けます。
第一巻はそんな言葉を添えて単行本を贈呈する事が出来たのですが、二巻はそうゆうわけにいかなくなるでしょうね。(続)
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プレッシャーはかかるが、読み手と作り手の勝負であり、やりがいを感じる毎日だ。
力を与えてくれてありがとうございます。(山口貴由)(2/2)