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豆知識。「政府統計は信用できない」という人がいます。確かに中国を筆頭に日本も含め政府統計には恣意的運用が入ります。但し貿易統計は別です。貿易統計は輸出国と輸入国の数値を突合できる為、片方の国が改竄すると反対側の国にすぐバレます。故に貿易統計は信頼性が高いのです。覚えておきましょう
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最後に余談ですが、弊社はサウジアラビアと深い取引があります。サウジという謎に包まれた日本の原油調達先首位の国について、かなりの程度実態を把握しています。この点は過去のnoteで考察を書きました。是非ご覧下さい。長文のお付き合い、誠にありがとうございました(17/17)note.com/malaysiachansa…
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更に中国に関しても同様です。日本の報道は中国の経済危機を煽るものが多いですが、その一方で世界の企業のサプライチェーンの移管は殆ど進んでいません。何故進まないのかを考察しましょう。エネルギーを含め、中国以外では代替が効かない理由があるのです。この様な点を熟考すべきでしょう(15/17)
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確かに日本経済の先行きは極めて厳しいものですが、それでも正確な情報を得られるなら、その中で資産を防衛する方法を探したり、学ぶべきスキルを見定めたりできるはずです。マスコミ、陰謀論、共に注意しましょう。私は日本の皆様の未来が少しでも明るいものとなる事を、心から祈念しています(16/17)
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それで国民一人ひとりにできる事は、正確な情報を入手し、各自がそれを咀嚼する事です。例えば日本は原油輸入を中東に頼っていますが、中東の事を殆ど知りません。その経済規模や産業構造を知る日本人は極めて少ないでしょう。生殺与奪の権を持つ相手を知らない事は、非常に危険な事と言えます(14/17)
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また日本は島国なので、エネルギーを欧州の様に近隣国と融通もできません。更に殆どの原発を止めてしまった為、電力供給も逼迫しています。今後もロシア産原油への禁輸措置は続きますから、石油価格の高止まりも続きます。更に原油はドル決済なので、円安になればなるほど調達価格は上がります(12/17)
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それで「今日本は極めて厳しい状況に置かれている」という現実を全国民が認識する事は大切です。インフレはまだまだ序の口です。そして物価が上がると必ず「制裁に参加したのは誤りだった」という意見が出てきます。しかし日本は米国の安保の傘下にいますから、参加しない選択肢はないのです(13/17)
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では日本はこの危機にどう対峙すべきですか。まず大切なのは、日本の立ち位置を正確に理解する事です。悲しい現実ですが、日本はこれまで考えた中国/欧州/中東と比べても厳しい立場に置かれています。当然中東の様に産油国ではありませんし、中国の様にロシア産の原油を安く調達もできません(11/17)
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ここまで中国・欧州・中東の動きを見てきましたが、この様にロシア/ウクライナの戦争は、これまでの世界経済の勢力図を一変させてしまいました。この激変は数十年に一度起きるか起きないかという次元のものであると私は考えており、今までの経済の常識が全く通用しなくなってきています(10/17)
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勿論中東も食料などの価格は高騰していますが、サウジアラビアのインフレ率は+2.2%と健全な範囲で抑えられています。これはひとえに国内の石油販売や光熱費に対して補助金を出し、その価格を抑える事ができている事に起因しています。そしてその補助金の原資は膨大な貿易黒字から来ています(8/17)
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この状況に対し、西側諸国は原油価格の高騰を抑える為に、中東に対し原油の増産を依頼しています。しかし中東側は多少の増産には応える素振りを見せていますが、大幅な増産には絶対応じないでしょう。原油価格の高騰こそ彼らの利益の源泉だからです。今後も中東の優位性は続くものと推察されます(9/17)
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そして最後にこの戦争で最も潤ったのは、他ならぬ中東です。西側諸国がロシア産原油に禁輸措置を課した結果、原油価格は高騰しました。産油国は価格が上がれば上がるほど貿易黒字が膨らみます。例えばサウジアラビアの単月輸出額は前年対比で+98%に達しており、笑いが止まらない状態です(7/17)
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この様に欧州は世界で最も経済的に戦争の影響を被った地域となっています。そしてロシアとウクライナの戦争は長期化が避けられない見通しとなっていますから、欧州経済の苦境は今後も継続していく事が予想されます(6/17)
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それとは対象的なのが欧州です。欧州はロシアが石油や天然ガスの輸出を絞った影響を真正面から受けており、インフレが止まりません。現在ユーロ圏のインフレ率は+8.5%に達しており、それは貿易の現場にも影を落としています。例えばEUの単月貿易赤字は324億ユーロという過去最大を記録しています(5/17)
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更に中国は向こう10年で原発を100基以上新設する計画を立てており、エネルギーの安定供給や価格の抑制に余念がありません。この様に戦争が起きても中国経済はその影響を最小限に抑える事に成功しており、実際にはプラスに働いている側面すらあります。今後もこの傾向は続くものと思われます(4/17)
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実際ロシア産原油の輸入量は前年比+55%となっています。現在中国は内需の衰えを外需で補う事に注力しており、その為にはサプライチェーンの死守が必須です。現に世界の脱中国は殆ど進んでおらず、それを固持するにはエネルギーの安定供給が肝です。この点ロシア産原油が重要な役割を担っています(3/17)
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まず中国ですが、戦争以上に大きな影響を受けたのは上海のロックダウンでした。これにより経済は大打撃を被りました。しかし5月以降は貿易の勢いも完全に取り戻しており、2022年5月単月の貿易総額は前年同月比で+11.1%になっています。更に最近中国はロシア産原油を安価で大量に調達しています(2/17)
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ロシア/ウクライナの戦争が始まって、既に4ヶ月が経過しました。この間に世界経済はどう変化してきましたか?また今後どう変化していきますか?弊社は中国/欧州/中東に等しく取引先がある事から、それらの情報も踏まえながら、今後の予測を記したいと思います。長文お付き合い頂ければ幸いです(1/17)
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@trawi_site トラさん、大切な事をお伝えします。無知は誰にでもあるものです。勿論私にもあります。一方アホな人は無知であるにもかかわらず批判します。貴方は謙遜に勘違いを認めておられますし、批判してきた訳でもありません。ですから貴方はアホではありません。「知らない事は批判しない」これに限ります。
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@fractalnew 日本円が国際社会で信用を保つ事ができているのは、この膨大な米ドルの外貨準備高があるからです。これを持つこと自体、日本円をハイパーインフレから守る効果があります。なので日本国民の為の外貨準備高と言えます。一方で用途に関しては円への転換は困難な為、国際協力などにしか使えません。
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@callbluesky777 米国は為替介入を決して認めませんので不可能です。そんな事をしたら、本気で米国に日本経済を潰されます。円安どころの騒ぎではなくなります。
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なおプロフにもあるように私は政治的には完全中立で、いかなる政治家も政党も応援もしなければ批判もしません。ただ国際経済を何も理解していない声の大きな人によって誤った認識が広まる事を危惧しており、その為に投稿しています。岸田首相の支持者では全くありませんので、予めご了承下さい。
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岸田首相は途上国支援に8.8兆円拠出します。全然余裕です。これは日本円でなく外貨準備高(米ドル)で支払われ、残高は180兆円相当あります。更に米国が円への還流を認めない塩漬けのドルの為、いくら拠出しても日本人の生活には何ら影響ありません。批判する人は国際経済無知のアホです。注意しましょう
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また「外資は定時で帰れる」と考える人もいますが、それも勘違いです。一般社員は概ねそうでも、管理職や役員は日本企業など比較にならないハードワーカーも大勢います。世界はそんなに甘くないのです。私の労働時間に関する考察は過去のnoteで書きました。是非ご覧下さい。note.com/malaysiachansa…
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「日本人は勤勉で働き過ぎだ」という主張はデマです。それは大昔の話です。実際日本人の年間労働時間は年々減少していて、既にOECDの平均値すら下回っています。生産性は低い、労働時間も短い、これで経済成長などするはずがありません。故にこれ以上労働時間を削るのは愚の骨頂です。働きましょう。