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後日、情報を総合すると、どうやらそういうコトが起こったらしいのですが…その時は、もう何がなにやらワケがわかりません。そんなタクミ少年を、見知らぬ先生は、見知らぬ女の子の前に突き出します。
「さあ! あやまりなさい!」
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恐らく…工作の授業で作った生徒たちの貯金箱の1つを、誰かがイタズラで持ち出して、ゴミ捨て場に捨ててしまった。そして…たまたまその貯金箱を拾ったタクミ少年が、5円玉をいじましくポッケに入れた“その瞬間”を、誰かが目撃していた…と。
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突然、自分の教室から引っぱってこられたので、アタマの中はまっ白。…やがてタクミ少年は、どうやら自分が“憎むべき5円ドロボー”として糾弾されていることに気がつきました。
「ダメでしょ。ヒトのお金をとっちゃあ!」
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タクミ少年は、見知らぬクラスの教室の前に立たされ、見知らぬ40人の生徒の視線が集中する中、見知らぬ先生に大変な剣幕で怒られていました。
「ホントのコトを言いなさいッ!」
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「ものすごい大金が詰まっているカモ!」と、開けてみると…“貯金箱”の中から出てきたのは、5円玉が1個。…まあ、拾ったときの音で、そのオチは予想できたのですが…何気なくその5円玉をポッケに入れて、何気なく帰宅して…その翌日のこと。
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…あれは小学2年生のある日のコト。ひとり校庭で遊んでいたタクミ少年は、ゴミ捨て場に捨てられていた、手作りの“貯金箱”…空き缶に折り紙を貼りつけたような、ササヤカなシロモノ…に気がついて、何気なく手にとりました。
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みなさん、こんばんは。
明日のアニメ『逆転裁判』は、成歩堂、御剣、矢張の“小学生時代の物語”…ということで。それにならって、小学生時代のエピソードを引っぱり出してこようと企んでいるタクミです。
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成歩堂、御剣、矢張を固く結びつける友情の原点となった、あの“事件”に隠されていた、小さな真実。
アニメ版『逆転裁判』前半ラストを飾る、小粋な“小品”になるのではないかと。
第13話《逆転の約束》…おたのしみに!
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どこからどう見ても今回で《最終回》っぽかったアニメ『逆転裁判』は、いやいや来週からも続きます!
そして次回は、いよいよアニメ完全オリジナルストーリーの登場。
誰も見たことがない“逆転”の物語…これは見逃せませんとも!
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そこで『“成歩堂×矢張”と“御剣×真宵”の別行動』というアイデアが登場。ただでさえ処理しなければならない圧倒的な情報量の中、はたして入るかしら…と、脚本会議も白熱。その結果、あの場面が生まれたという…
アニメ“ならでは”のシーンになったのでは。。
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ゲームは『プレイヤーの選択で物語が進行する』という作りなので、基本的に、すべてのシナリオは主人公なるほどくんの“主観視点”で展開するのが“お約束”。今回、セッカクのアニメ化なので、その“お約束”をハズした見せ方ができないかしら…
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しかも、そのフォローのためか、その後の会話で成歩堂に
「ここでアルバイトしてたんなら、何か知らないか?」
と、わざわざ言わせてバランスをとるという…誰もためにもならない、ムダな気づかい…(実話)
ちなみに、あのオバチャンも『アルバイト』派のようです。
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まあ実際、“略語”を使わない方が不自然なのはわかっているのですが…
思い起こせば『逆転、そしてサヨナラ』で、ひょうたん湖のサンタ服の矢張に
「決まってんだろ! バイトだよバイト」
と言わせるまでに、しばらく悩んで手が止まってしまったり…(実話)
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また、なぜかぼくは文章で“略語”を使うのにミョーな抵抗があって…
『携帯電話』を『ケータイ』って…“電話”の要素はどこへ行ったんだ。10年後はコレ、通じなくなっているかもしれない…そう思うと。
…書けないッ! という事態に。
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あれ。今は“ズボン”じゃなくて“パンツ”だっけ?
“チョッキ”は“ベスト”かと思ったら…最近は“ジレ”らしい…なんだ“ジレ”って。この調子だと10年後は“ジレ”じゃないかもしれない…そう思うと。
…書けないッ! という事態に。
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たとえば。
『そのとき、ゴドー検事はズボンのポケットから手を出して、椅子にかけていたチョッキをとった』
なんて文章を書こうとすると…
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いやいや、そんなの書けるハズもなく…シナリオと小説は、ちょっと似ているようでマッタク違うシロモノ。
『絵や音楽のチカラに頼れない』という他力本願なウラ事情もありつつ、なんと言ってもイチバンの違いは、小説には“地の文”というヤツがあるコト。
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みなさん、こんばんは。
“ゲームを作る人”でありながら、シナリオなどの文章を書く機会が多いせいか、たまに「小説を書けばいいんじゃないの?」なんて言われたりするタクミです。
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なんと今回! アニメ『逆転裁判』とSCRAPのコラボレーションが実現!
この夏! 新たな事件でみなさんに“挑戦”します!
その名も『霊媒村殺人事件』…7月8日からいよいよスタートです!
realdgame.jp/gyakuten2016/
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制作の終盤、スケジュールの関係で新しいキャラクターを作る時間がない!
という事態になり…それなら“アイツ”を再利用するか…という軽いノリで《リサイクル》されたのが、ヤハリサンタ氏だったのですが…
こうして見ると、彼の再登場は“運命”だったのかもしれません。
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さて。来週からは、いよいよ“あの事件”が始まります。
『逆転裁判』の《核》ともいえるエピソード…《逆転、そしてサヨナラ 1st Trial》
これまで見え隠れしていた物語の断片が、徐々に《真実》を結び始める…
ということで、次回もお楽しみに!
…それでは、また。
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さらに。思えば『逆転裁判』10周年のイベントでは、我らが“アニキ”こと、あの水木一郎先生に『♪ぶぅちィころォォせぇぇ』と上機嫌に熱唱していただいたという…なんとも恐れ多くも誇らしくも輝かしくも凶悪な1曲。
…カラオケに入らないかな。
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現在、アニメでも流れている名曲『大江戸戦士トノサマン』は、当時からチーム内でも大人気。そこで、ゲーム制作が一段落したころに、チームのみんなを笑わせようと10分ぐらいでテキトーに書き飛ばしたのですが…まさかその数年後、世間に“公表”されることになるとは思いもせず…