たまちゃん @銀行(@tamachanbank)さんの人気ツイート(古い順)

吾輩は目標未達銀行員である。人権はまだ無い。どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でフィーフィー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで初めて支店長というものを見た。しかもあとで聞くとそれは役員候補という支店長中で一番獰悪な種族であったそうだ。
むかしむかし、ある支店に狡い先輩行員と誠実な後輩行員がいました。 ある日、後輩は大きな取引先を担当することになりました。それを見た先輩はその取引先が欲しくなり、「この小さな取引先は、成長してどんどん大きくなるよ。どうだい、その取引先と交換してあげようか?」うん、ありがとう。誠実な
むかしむかしの ある支店のおはなしです。 担当者Aが新規先を開拓しました。最初は小さな取引先でしたが 「大きくなあれ、大きくなあれ」 担当者Aはこまめに相談に乗り、提案をしました。「大きくなあれ、大きくなあれ」担当者Aの尽力のおかげもあり、取引先はぐんぐん育ち、
本部は、研修を増やしました(おかげで、支店の取引先訪問時間がさらに減りました)。 支店長は今年度の目標を達成することでいつも頭がいっぱいでした。 そして、これからの業績表彰パーティーでも、取引先のことも案件も知らない担当者が表彰され続けるのでした。 おしまい🌸 #陰湿金融文学
むかしむかし、ある銀行本部に課長がいました。課長は銀行内で常に上位20%に入る成績優秀者です。銀行では、若者の退職が留まることを知らず、経営課題の一つとなっていました。 課長は、退職者を減らすためのプロジェクトチームに抜擢され、リーダー役をすることになりました。 #陰湿金融文学
課長は張り切って、メンバーに「よしっ!まずはチームメンバーで勉強会だっ!始業1時間前に集合!」と声を掛けます。「あの、子どもの保育園の送りがあるので…」一人の男性行員が気まずそうに答えます。「なに?男なのに保育園送り?お前だって結構給料貰ってるだろ?奥さん
何やってんの?まぁいいや。資料は共有するから自習しとけよ」と課長は言わなくていいことまで言ってしまいます。(よし、やっぱりこの会社ムリ)それを聞いていた若手複数名が思いました。 プロジェクトが始まって1ヶ月、今日は進捗会議です。課長は今日の会議進行役の女性が昨日体調が悪そうだった
ことを思い出し、女性に「今日、大丈夫?」と声を掛けます。女性は「体調悪いけど、進行役なので頑張って来ました。」と青白い顔で答えます。課長は「かっこいいね!よろしくね!」と満足気です。そのやり取りを聞いていた若手は(よし、ムリ。体調悪いなら日程ずらすなり代役立てるなりリモートにす
るなりすればいいのに。病気移ったらどうすんの。課長も課長だよ、体調悪い人が休みにくくなるじゃん)と退職の意志を固くします。 課長にとってもメンバーにとっても不幸なことに、課長は所謂「悪意ある悪い」人間ではなく、かなり昭和的ではありますが親分気質で気に入った子分への
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面倒見は良いため、周りには子分(イエスマン)が集まるのです。
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ただ、少し自意識過剰のきらいがあり、自分と異なる意見は自分への批判・挑戦と受け取りがちで、ついつい自分と異なる意見を批判したり、なぜなぜ5回で厳しく追求したりしてしまいます。加えて、お酒に酔うと、過去に意見の激突で辞めてしまった上司・同僚が○名いる、と自慢し、お前も議論するか?
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と吹っかけるという茶目っ気もありました。結果、課長と異なる意見を持つ人は課長に近付かなくなりました。課長はそんなことには一切気付かず、イエスマンに囲まれて毎日ご満悦です。 プロジェクト発足から1年後、チームが考えた対応策が各支店に展開されました。
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課長は展開を祝して慰労会を開きますが、もう子どもの迎えがあるから、なんて口にするような軟弱なメンバーは残っていません。メンバーの4割はなぜか辞めてしまいましたが、今いるメンバーは課長の自慢の精鋭達です。 そんなある日、課長は体調を崩してしまいました。それでも出勤しようとすると、
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自分(課長)の子どもに「ねぇパパ、何で無理して出勤するの?休むなり、リモートにするなり、出来ないの?」と聞かれました。課長は、一瞬ドキッとしましたが、聞かなかったことにして出勤しました。もしかしたら、辞めてしまったヤツもそう思っていたのかも知れないな、ボンヤリする頭で
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課長は考えます。そういえばメンバー達が辞める時も碌に退職理由を聞かなかったことを思い出しました。 少し後悔の念が湧こうとした時、会社に着きました。すると、かわいいイエスマンから、「体調悪い中来るなんて、かっこいいですね」と言われて、満更でもなくなり、辞めてしまった人のことなんて
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すぐに忘れてしまいました。そして、そのやりとりを聞いていた新しく着任した若手は(よし、ムリ!)と退職の意志を固めるのでした。 おしまい🌸 #陰湿金融文学
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むかしむかし、ある銀行がありました。そこでは、働き方改革の一つとして、女性活躍推進が掲げられました。国ごとの産業構造の違いなどを考慮しているのかもわかりませんが、ハーバード大学が提唱し、日本政府が推進する「女性管理職3割」を銀行でも目指すことになりました。 #陰湿金融文学
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3割になったらどうなるのか銀行の経営陣は誰一人理解していませんが、何せハーバード大学が提唱しているのですから、きっといいことがあるに違いありません。とりあえず、3割を目指すのです。 とは言っても、これまでの銀行は男性社会。総合職の男女比は9:1です。でも3割を目指さなければいけません。
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まずは管理職候補の名簿作りです。経営陣は考えます。管理職としてバリバリ働いてもらう必要があるから、既婚者は除こう。そうして独身女性の中から管理職候補を選出しました。選ばれたのはとても負けず嫌いで男勝りな方ばかり。中にはヒステリック気味な方もいますが、何しろ母集団が少ないので贅沢は
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言えません。彼女達には辞められては困るし、泊を付ける必要があります。ですから、キャリアに傷が付かないキラキラ本部と優秀な部下を当てがいます。そうして、順調に彼女達はキャリアを積み上げ、管理職になりました。彼女達には特筆すべき特徴がありました。皆、プレゼンが上手いのです。
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当たり前のことも彼女達のプレゼンにかかれば好事例です。経営陣はご満悦です。 しかし、女性活躍推進はここからが本番です。産休・育休制度は上場企業のなかでもトップクラスに充実させました。女性管理職のキラキラトークと働きやすさアピールとで、女性の採用を増やします。
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もちろん配属にも気を遣います。 女性は不人気な地方には回せませんし、東京や大阪でも出身大学や実家との距離を考慮して配属します。しかし、ここで問題が発生します。銀行に採用されるような女性の多くは、殆どが恵まれた家庭・恵まれた環境で何一つ否定されることなく育ってきたお姫さまですから、
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は割り振られないため、支店はてんてこ舞いです。結果として、残った男性行員の業務量が増えますが、どうしようもありません。こんなことは想定していなかったし、想定していたとしても補充人員を常に確保しておけるだけの余裕は銀行にもありません。 苦肉の策として、支店長達は結婚や出産の予定を
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聞くようになりました。 純粋に支店運営に必要だから確認しているのですが、一部からセクハラとの声があがり、結婚・出産予定を聞くことは禁止されました。そうなると必然的に、特に重要な業務は男性行員に振り分けざるを得ず、女性はふわふわした業務しかしないまま年次を重ねることになりました。
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慌ただしい支店での業務や教育指導、荒っぽいお客さまの対応で、1〜2割が適応障害で休職してしまうのです。適応障害を免れた女性行員も、数年後に次々と産休・育休に突入します。出産はおめでたいことですし、制度利用は当然のことです。しかし、休職しても制度利用で休暇を取っても、支店に新たな人員