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毎年書いているわけではないけど、第二次世界大戦が終結以降、5月9日が今のように「戦勝記念日」として祝われるようになったかというとそうではない。ソ連では、5月9日と9月3日(軍国主義日本に対する勝利の日)は休日とされたが、1947年には労働日に戻された。というのも、 twitter.com/toriyamayusuke…
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外務省へ質問主意書:2014年ウクライナ政府を「反ユダヤ主義…さらにはナチス・ドイツに協力したウクライナ人国粋主義、バンデラ主義…信奉者らが、武器を持たない警官らに対し火炎瓶を投げ付け治安維持部隊に暴力をふるい銃を乱射し政権を奪っている」と呼んだ鈴木貴子副大臣の頭の中どうなってるの?
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最近日本や欧米からロシアに留学した学生と話して強く思うのは、ソ連時代のように彼らに事前にKGB関連のリスクをブリーフする必要がある。ロシアで最も「リベラル」な高等経済学院副学長にFSB局長が就任したなんてのは氷山の一角。科学アカデミー等「シンクタンク」は外国人リクルートための出先機関
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日本含む欧米全体のソ連・ロシア研究は一旦リセットしないとダメ。ロシアが政治局・KGBアーカイブを封印したのでソ連研究は事後検証もなく中途半端。ロシアの外のKGBアーカイブを見た印象では我々は30年前に崩壊したソ連という国のことを知らなすぎる。その惰性でロシア研究をやるとこういう事態になる
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この30年間の研究者の関心は、なぜソ連が崩壊したか、に集中している。しかし、本当に注意を払うべき問題は別にある。なぜソ連は半分(ソ連共産党)崩壊したのに半分(KGB)保存されたか。私は、ソ連が完全に崩壊しなかったことの方が重大であり、現在のロシアの状況を考えると研究価値があると考える
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「インテリジェンスの専門家」佐藤氏が誤解している(か嘘をついている)のは、カウンターパートは「ロシア大統領府」ではなくSVR(ほぼクレムリンと一体化)であり、内容は「ロシア側の認識」ではなく、SVRが日本の世論と安倍前総理(領土問題で同氏に相談)を特定の行動に向かわせるための情報。 twitter.com/shamilsh/statu…
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この手のエージェント(agent of influence)は、情報を盗むエージェントと違って定義も広く(agentではなく、「インサイダー情報」を勝手に広めてくれるconfidential contactに分類も可)、現行法では取り締まりもほぼ不可能(ただし、情報盗む・広めるの両方の機能を兼ねるエージェントもいる)。
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いずれにせよ、佐藤氏はクレムリンあるいは「友人」から送られてくる「箇条書き」をもとにして領土問題、ウクライナ問題についてメディアで発信したり首脳にアドバイスしているわけである。高度な #activemeasures #disinformation であり、これに協力する日本の大手メディアや出版社の功罪は大きい
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今の日本で見過ごされている安全保障上の重大な脅威を一つ挙げなさい、と聞かれたら、私は迷いなく、「ロシアの声」(佐藤優訳)で質問票作る鈴木貴子外務副大臣を挙げます。#agentofinfluence twitter.com/HosakaSanshiro…
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ロシア侵攻なしで終わる場合。米英中心の対露制裁網・対ウクライナ武器供給・インテリ先行暴露等によって阻止されたにも関わらず、親露・反米リベラルは「ほら見ろ欧米が状況をエスカレートさせていただけ」キャンペーンを始める。「抑止」効果が測定できないだけにこのナラティブに備える必要あり twitter.com/HosakaSanshiro…
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プーチンが「一部撤退」に言及したかとで楽観的ムードに向かい始める中、30分程前からウクライナ国防省、主要銀行のウェブサイトがDDoSと見られるサイバー攻撃にあっている模様。#tacticaldeception
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2014年8月もそうであったが、ロシア軍の侵攻はこうしたサイバー攻撃とセットになって起こるので注意。
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今朝から、ドンバスのロシア占領軍は、保育園や学校に狙いを絞って攻撃してるようだ。幸い犠牲者は出てないが、子どもが犠牲になる「絵」は「ウクライナ軍のジェノサイド、虐殺行為」としてバエるから。それが理由だろう。
m.facebook.com/popasnavca/pos…
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こういう場面で出てくるナラティブに「情報戦」がある。「米露の」とか修飾語が付く。未曽有の規模の宣伝戦を行うロシアは2014年夏MH17撃墜などで欺瞞が暴かれると欧米も嘘をつき相互に「情報戦」を行っていると広め「相対化」を図る。ナイーブな「客観報道」を標的にする。
news.yahoo.co.jp/articles/85d60…
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ロシアのメディアは米国や日本とは根本的に異なる行動規範で動いている。「テーマ集」があり捏造も普通。だから米国報道とロシア報道の両方を見て「中庸」を取るという考えは誤っている。米国のバイアスが+2だとすればロシアのバイアスは-20だから。平均をとればどうなる?子どもでも分かる
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暴力団DPR組親分が「ウクライナ軍侵攻」を非難する動画はメタデータから16日昼の撮影と判明。LPR組親分の動画は16日夕方撮影。15日夕方のサイバー攻撃、14~15日にプリピャチ川に架けられたポンツーン橋などと合わせ、米国警告の通り当初予定日は16日だったことを支持する間接的証拠。 twitter.com/AricToler/stat…
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米国のインテジェンス積極公開、OSINT発達により、情報空間でのロシアの敗北は決定的。クレムリンのスピーチライターが頭を悩ます侵攻後のプーチンの「歴史的演説」は2014.3.18演説のような共感は呼ばない。今次危機の教訓は軍事力に対し経済制裁だけでなく適時な情報公開が一定の抑止手段となること
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決定的な抑止になるわけではないし脅威が過ぎたわけでもない。他方、国内・国際オーディエンスに向けて、事態の解釈(ウクライナがジェノサイド?)と自国の行動(「ロシア系住民」保護?)を示し、侵攻を正当化する #StrategicNarrative 的観点からは今この瞬間のプーチンの苛立ちは想像に余りある。
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2014年のドンバスに、ロシアとの統一を本気で目指す「親ロシア派」の現地活動家は数名いたが、彼らはモスクワから退けられた。ロシアの狙いはドンバス併合ではないから。モスクワは指示通りに動く政治技術屋(Borodai)、密輸ブローカー(Zakharchenko)、ネズミ講リーダー(Pushilin)を首班に据えた。→
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この密輸ブローカーZakharchenkoにモスクワの指示を運ぶ連絡役だったのがラトビア生まれのエージェントAlexander Kazakov 。ウクライナ問題について雑誌・テレビでよく発言する佐藤優氏とKazakovはモスクワ大学同窓で旧知の仲。昨年、東京堂出版はこのロシアのエージェントの著作(佐藤優監訳)を出版 twitter.com/HosakaSanshiro…
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ミンスク1と2もそのような状況でウクライナ側が「呑ませられた」内容であることに注意。当時のポロシェンコ大統領はロシア正規軍に押され圧倒的に不利な戦線を見ながら断腸の思いでウクライナの主権を侵害しうる内容に署名せざるをえなかった。これこそ「力を背景にした現状変更」。→
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外交交渉がセットされたら、ロシアの侵攻は先送りされると考えているのんきな人が結構いるみたいだが、それ逆。#reflexivecontrol では、侵攻しながら交渉する、つまり政治(和平)交渉と軍事行動をシンクロさせて、政治交渉のテーブルでの利益を最大化するのが普通。→
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ただし、それでもウクライナ側がミンスク諸合意を履行しようと努力してきた背景には、①ロシアの侵攻を一時的に止める、②ミンスク諸合意のロシア側履行条件(外国軍隊撤収等)を欧米の対ロ制裁にリンクさせることに外交的に成功したから。→
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8年間の対露制裁がロシアの行動変容を促さず、ロシアの大規模侵攻が現実の脅威となっている今、ミンスク諸合意はほぼ破綻。ではロシアはミンスク3を求めるのか?ミンスク2以上にウクライナの国家主権を侵害する内容が受け入れられるとしたらそれはウクがロシアの軍事力の前に完全に屈服したとき→
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しかし、ロシアが一貫して追求しているはドンバスの傀儡「自治政府」を合法化してそれをウクライナに埋め込むという露骨な主権侵害であり、このロシアの根本的目的を変容させない限り、ミンスク諸合意の外国軍撤退、選挙の履行順序等をめぐる議論は何度やっても同じ結果となる。