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学振シーズンですね。
今、多くの大学院生が「日本学術振興会特別研究員」に採択されるべく、申請書を執筆されていると思います。
そこで、これまで複数の研究計画書(学振・助成金等)や出版企画書(講談社等)を通していただいた身として、いくつかコツ(意識すべき点)を書いていきたいと思います。
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インターネットカルチャーにどっぷりつかっている人がフリーダムに議論するというのは(明らかな人格否定を伴っていなければ)良いと思うのですが、何らかの対象を精緻に論じたり研究するという時には、アカデミックな作法に則るのが通例なので、そのあたりのギャップは埋まった方が良いなと思います。
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哲学を学んで得られたことの効用の一つとして、「理解のできない点を明確に理解できる」というのがあります。哲学を学ぶと、相手が用いる一つ一つの概念に注意深くなれるので、「どの言葉が曖昧だから話が理解できないのか」を比較的明確に理解することができます。これは有意義なスキルだと思います。
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すでに法学の観点からの「VTuber研究」は行われていて、「VTuberの方への誹謗中傷はいかなる意味で人格権の侵害に該当するのか?」という問いが学術論文の中で問われています。
ですが、こうした研究と共に、「VTuberの存在」を理論的・体系的に説明する理論を哲学の側でも出していく必要があります。
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bookclub.kodansha.co.jp/calendar?_ga=1…
思った以上に反響がありましたので、この場を借りてご報告させてください。
ちょうど一か月後に、講談社現代新書さんから本が出ます。タイトルは『独学の思考法 地頭を鍛える「考える技術」』です。
読書猿さんの『独学大全』を筆頭に、いま「独学ブーム」が起きていますが、
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よくアカデミズムを引き合いに出すことに対して「権威主義的だ」という声も聞くのですが、「権威の有無」とかではなく、対象を論じる際には正当化可能なアプローチがないと議論自体が空中分解してしまうので、そうした「手続き」的な部分をちゃんと整備・準備した方が良いよねという意味で言っています
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これは本当に自戒の念を込めて言うのですが、あんまり、頑張りすぎない方が良いと思います。人より二倍、三倍頑張ってしまうと、いつしか「どうして自分は他の人より二倍、三倍評価されないんだろう」という感情が増えていきます。そして、納得できない人が評価されるのを見て、しんどい思いをします。
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本日付で東京大学大学院メタバース研究科の特任研究員に着任しました。担当する講座は「VTuberの哲学」です(通年かけて「にじさんじ・ホロライブの比較文化思想」の講義を行います)。
今後は僕自身もVTuberとして研究活動に尽力してまいりますので、チャンネル登録のほどよろしくお願いいたします!
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私は、自分自身を応援すれば良いにもかかわらず、自分以外の存在を応援することによって、かえって自分の人生そのものが生き生きとする現象に非常に大きな興味を抱いております。究極の利他は利己主義に帰結するというのでしょうか。いずれにせよ、それは「推し」という概念の究明に役立つはずです。
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学振に採択されず、心が折れてしまい、中には哲学研究者の道を諦めてしまう人たちがいる。方や、ろくに哲学の論文も書かず、謎のメディア露出を繰り返し、社会的に「哲学研究者」として認知されて仕事を稼ぎまくる人がいる。僕がしばしば後者を批判するのは、そこに圧倒的な理不尽さを感じるからです。
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哲学若手研究者フォーラム編『哲学の探求』第50号にて、「VTuberの哲学」をテーマにした論文が掲載されました。
昨年八月に公開された『フィルカル』論文の直接的な続編になります。
無料で閲覧可能ですので、VTuberに関心のある方は、是非ご一読してくださいますと幸いです。
wakate-forum.org/data/tankyu/50…
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youtube.com/watch?v=mprI8m…
「バーチャルYouTuber四天王」の一人であるミライアカリさんが「VTuberとは何なのか?【初心者講座】」という動画を投稿されました。
僕はこの動画が投稿される前にVTuber論文を執筆してしまったので、大変緊張しながらミライアカリさんの動画を視聴したのですが、
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よく「対話が大事です」と言うと、「じゃあ相手を否定しないんですね?(全肯定するんですね?)」と言葉を返されることがあるのですが、そういうわけではありません。私たちには疑問文があるので、否定と肯定の二者択一に陥る必要はないのです。
「問い」こそが対話を公正に回す原動力だと思います。
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読書会をする時に一番大切なことの一つは、「分からないことを分からないと言っておかしくない空気を作る」ことかもしれません。そのためには主催者が率先して「初歩的・基本的な問い」を参加者に投げかけていくのが良いと思います。「これ質問できない雰囲気だ」と思われてしまうと、問いが出ません。
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(つまり、「また相手を論破してしまった」という間違った自己認識をその人は獲得する、ということです。)
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大学院に進学された方は、「自分なんかが発表したら迷惑じゃないか」とか、「恥かいて終わるんじゃないか」と遠慮せずに、とにかく発表の機会があるなら一度申し込みをしてみることをお勧めします。締め切りができると人は動けますし、とにかくこういうのは「最初の一回」がめちゃくちゃ重要なので…。
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社会学の人が(専門というわけでもない)メルロー=ポンティの議論を参照しながらサブカル文化の分析を行うという論文を読んだのですが、ポンティの議論をほとんど具体的に解説せず、彼の引用をそのまま切り貼りして自分の議論を進めていくという最もやってはならないことを論文でやっていて辛いです。
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ZOZO NEXTさんの「FASHION TECH NEWS」にて、「VTuberの哲学」をテーマにした記事を執筆しました。今月末に刊行される査読論文の内容をさらに膨らませています。事例としてたくさんの動画をご紹介したので、VTuberを知らない方でもおそらく面白く読めるかと思われます…!
fashiontechnews.zozo.com/research/hirok…
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出版不況の中、学術系の出版社も大変な状況なのだとは思うのですが、僕の友人も生活に余裕がない中で、大変な時間とコストをかけて翻訳を担当したわけなので、せめてそうした人へ最低限の敬意を払ってほしいと思います。
(担当者の方は、他の先生にはすぐに返信のメールを返していたそうです。)
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これは本当に声を大にして言いたいのですが、もし研究活動の中で大学教員から抑圧的・暴力的な言動(人を小馬鹿にしたり、揶揄するような言動も含む)に直面したら、すぐに信頼のできる別の大学教員の方にご相談されることを強くお勧めします。大学という世界は権威の塊みたいなところがありますので、
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これは定期的に言っているのですが、大学院生は時間的な制約があまり無いので、どんなペースで研究活動をしていけばよいのか、目安を見失いがちです。そういうときには、「学会発表」や「論文投稿」という具体的なペースを作っていくと良いと思います。
締め切りに追われた人間は強いです(実体験)。