さっきの件の渦中にある大学教員,KAKENやResearchmapでも名前が出てこず,経歴見ると見事なまでの実務家教員なので「大学教員は社会経験を」なんて言ったところで「長年社会経験を積んでもこれですよ」って事例になってしまうなw
ゼミ配属で女性優遇する際の教授の弁明って,かつて女性限定公募推進の某男性シニア教授が「合法的に若いねーちゃん雇って逃げ切れるからいい時代になったわ.HAHAHA(要約」って笑っていたのを聞いていただけに,根っこの思想は近いんだろうな,と思っていたりする.
加えて,推進側の女性教員から「男子学生は女性教員からハラスメントを受けても我慢すべき」と言われたわけで,そんな人達が掲げる男女平等改革なんて信用できんわ,となって今に至るわけです.
なお,Twitterの推進派(の一部と思いたい)は「実力を適性に評価すれば女性優遇はいらない」という主張をした「女性」研究者に対し,仲間を集め袋叩きにして謝罪に追い込み「弁えさせる」ということをやっています.そういう価値観の人達が考える「男女平等」って怖いんですよ.
議論で厄介なのは「知ったかぶりする人」より「知らないふりが上手な人」ということを思い出した.無知を装って,自分の言葉で後々自分を縛るよう絶妙に操作した情報を伝え,相手の思考をコントロールしてくるタイプ.
小学生の「体験格差」 低所得世帯の3分の1で学校以外の活動「1年間に一度もない」(TBS NEWS DIG Powered by JNN) news.yahoo.co.jp/articles/e3822… 大学入試は筆記一発にするのが相対的にマシである,というお話はこれに起因する.多面的に評価するほど金持ちが有利になる.
(OAではない)論文誌のビジネスモデルって,投稿する研究者からお金を取り,投稿論文をボランティアで同業者に査読させ,掲載された論文を読むために研究機関からお金を取る仕組み,と言われたらどんだけヤバイか分かると思う.一番の問題は,その仕組みを研究者が肯定していること.
結構な地方国立は修士から定員割れだし,博士に至っては学年毎に一桁前半も珍しくないですからね.加えて,研究者になれる人なんて極一部なので,地方からみて「研究者を目指す人が大学院に」なんて幻想なんですよ.
教育って「限られた時間で何を学ばせるか」というパズルなんだけど,不思議とこの時間を無限大と見なして教育を語る人はぼちぼちいるんだよな.そりゃ,時間が無限にあれば「なんでも学びましょう」になるけど,そんなん無理ですって...
色々な教育改革案は見てきたけど「学習時間が有限という現実を無視する」「教えた内容は全員100%身につけている」の2つを前提としているものは,経験上大学にいる人から出てくるんだよな.
実際に大学が潰れることで「Fラン大学を潰して国立支援を」って声を見かけた.恵泉女学園大の私学助成は1億弱(令和4年)で,単科大を除く地方国立の最低が滋賀大学の32億(令和元年データ).仮に下位私学を100校程度潰して国立全体を支援したところで焼け石に水程度です.
毎年学生に言っているんだけど,やはり「徹夜禁止」「忙しくても土日の片方は休むこと」「研究以外に趣味を持つこと」の3つは言い続けたほうが良いな.心を折らず持続的に頑張るためには,やはりこの3つが必要.
私も「運営費交付金を増やすべき」と主張しているけど,論文数向上よりも「どの大学でもある程度均一な教育環境を提供するため」が主な理由.競争的予算が無いと学生に卒業研究をまともにさせられない現状を問題視しており,だからこそ競争的資金を交付金に戻してほしいと願うわけです.
少なくとも,大学院博士課程まで進学した人が「貧困」を訴えても世間には響かないと思います.世の中「実家の家計を支えるため中卒・高卒で働くことが必須」なんて事例はゴロゴロあるんで,「大学への進学を許可された」時点でそういう世界の住人から見れば恵まれて見えるでしょうからね.
mext.go.jp/mail/index.html もし大学でおかしいと思うところがあるなら,SNSで愚痴ってないで文科省の窓口から意見送ったら良いと思いますよ(解決はしなかったけど返事は頂けて,大学担当者と折衝までした経験がある)
某女性枠のお話で,ことある毎に「女性比率を」という某女性PIとお話する機会が先日あって,ラボの女性比率が1割切ってるから「何でラボ内の女性比率増やさないんですか?」と何気なく聞いたらめっちゃ地雷ワードだったらしく,文句言われまくった...
割と面白いのは,博士課程に対する学生の支援は私学の方が比較的充実していて,同じ大学からの進学のみ優遇する制度が結構ある.すると「学部で卒業」だと私立の方が経済的負担が大きいけど,「博士まで進学」だとこの負担がひっくり返る可能性もある.
定期的に出る「アカデミアの給料が安い」問題.根本的に「優秀な人が集まる場所は高給であるべき」という思い込みがありそう.業界の給料は必ずしも能力では決まらない,という前提を共有できない人とは議論が成立しないんだよね.