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近所に進学塾なんか無く、高校は文系だったから理系科目はYouTubeを使って1人で勉強した。
実家の田舎にドイツ人は居ないから、インターネットでドイツ語の新聞やラジオを聞いてドイツ語を勉強し、そしてドイツの医学部に合格した。
良い時代に生まれた。
目標を達成する手段がいくらでも見つかる。
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「生理学や生化学の教科書は年々厚く複雑になり、知識の量は私が学生をしていた頃とは比べものにならない。でも安心して欲しい。解剖の教科書は昔と対して差は無い。」
なんてスピーチをして学生の緊張を和らげ、後に解剖学の試験で100人以上落第させた教授をいまだに忘れる事が出来ない。
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ドイツの医学生は1〜2年生の長期休みを使って90日間の看護実習を行う。
患者のオムツを変え、シャワーにも付き添う
俺もシフトに組み込まれ、1日8時間看護師とほぼ同じ仕事をした。
だからドイツは、産休などで一時的に看護師が足りなくなった時やコロナのこの時期に、医学生で仕事を補う事が可能だ。
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医学生限定で募集されたのコロナテストセンターの助手になろうと”先週“応募した。
この時期に働く医学生はまずいないだろうから絶対に人手は足りない。
1週間待った今日、もう直接電話した。
電話に出た女性が言うには、採用担当者が1月10日まで休暇を取ったらしい。
そもそも採用側が働いていなかった
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ドイツで学者や医療の専門家は尊敬され、とても大切にされている。彼らの意見がメルケル首相の政治判断に大きく影響を与える。
そして今回、特に看護師はとても賞賛され、給料が段階的に上がる事が約束された。
学者が日本を去るのは、日本人の専門家に対する態度にもあるのかもしれないと思い始めた。