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「お前、ウララなのか……そんな……」
「私はずっと同じウララだったんだよ。三女神様がそういう風にしてくれたんだよ、きっと。私、全部のトレーナーを覚えてるし、全部私だったんだよ」
「そうとも知らないで私は……」
「ねえ、次はなにする?」
「……ゆっくり考えよう。一緒にな」
FIN
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ハルウララを有馬記念で勝たせるためタイムリープを繰り返していたトレーナーが、全てが終わった後に自らの傲慢さと自己満足に震えながら達成感と喪失感の両方に襲われていたとき、ウララがジャケットをかけてくれて「トレーナー、もうどこにも行かないでね」と声をかけてくれたとき全てを悟る。
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別に「失敗したくない」というのはそれだけなら悪いもんでもないんですが、これ「失敗したって死なないなら何しても良いし人を蹴落としても良いじゃん」っていう雑な倫理観に直結するので、まああまり楽観もし辛い。
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職場でもよく話題になるけど、今の20代以下の子に濃厚にある「失敗したくない」というもはや執念とさえ言える感情の出どころって、何かあればLINEやネットでボッコボコに隣の誰かにぶっ叩かれるのを見て育ってるからなのはほぼ間違いないようなので、その辺から解さないと難しいかなとも思う。
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両津はありとあらゆる方法でトレセン学園内でのスキマ産業の開拓をしていったが、案の定、じきにバレた。
中川財閥の仲裁で両津の商売は全てトレセン学園の収益に流用されることとなり、理事長の基盤はより強固なものとなった。
「良かったですねえ。先輩」
「良くない! わしには一銭も残らん!」
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ゴルシ「おっさんの素質を見抜いた私の才能が怖い」
両津「バイクに乗ってるときの本田と比べたらあいつらまだ素直だからな……それよりも例のものはちゃんと持ってきたろうな?」
ゴルシ「捨てる用の蹄鉄なんてどうすんだ?」
両津「ウマ娘の使用済み蹄鉄だぞ!? 高く売れるに決まっとる!」
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両津「いいか、マルゼンスキー!! お前はタッちゃんへの愛情が足りてない!!」
マルゼンスキー「ええっ!?」
両津「見ろ、下道で下手に飛ばすから車台がグラつき始めとる! 飛ばすなら首都高かサーキットでやれ! わしが紹介する!!」
理事長「立派! ちゃんと指導してるな!」
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部長「両津のやつ、週末もトレセン学園に泊まり込みするそうだが、流石にかわいそうになってきたな」
麗子「それがそうでもないんですよ」
部長「何?」
麗子「ネットで各ウマ娘の今後のクラシック路線の予想をしてて、ブログ収益がもう一千万ぐらいに」
部長「転んでもタダでは起きない奴だ……」
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両津「ただいま……」
中川「まだ一週間残ってるのにたった二日間でボロボロですね……」
両津「時速70キロで走れるからな……しかも瞬発力は人間と同じだ。人間は初速だけなら動物の中でも結構速いのに、その上最高速まである」
中川「NSXを軽自動車で追いかけ回すようなものですね……」
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両津「えっ!? わしがウマ娘の交通安全指導を!?!! わしはいつから交通課になったんですか!!!」
部長「先日のゴールドシップくんの推薦状を学園の理事長が受理したらしい……くれぐれも失礼のないようにな」
両津「無茶ですよ!」
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「辛かったら逃げても良い」はもちろん孤立した人に対する救済の言葉なわけだけど、ネットでこの言葉が広まったとき何が起こったかって「そうは言うけど誰も俺を救ってくれないじゃないか」っていう怨嗟の声だったというのは、なかなか業が深いとは思う。
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それからもう20年経って、そういう無茶が破綻してる人を実際見かけるし、なんなら今の10代の子でもそれは起こると。
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亡くなった友人が生前(2000年頃)に「仕事に打ち込んでも報われないのがわかっちゃったから趣味に仕事性を見出して無茶してるのが今のオタク」とか言ってたけど、あいつ頭良かったなあ……。
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また艦これイベントが始まるので諸注意。
・普段から攻撃的なこと運営に対して言っておいてブロックされたとか騒いでる苦情と中傷の境が分からん危険人物はミュートかブロックしておけ(百害あって一利なし)
・不具合報告などは積極的にしよう(できるだけ公式フォームで)
・(SNSでは)みんなで楽しめ
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まあ世の中にはドラゴンボールとかプリキュアでさえ「殴り合いは子供に見せたくない」って人はおるんだけど、この手の話を聞くとや「もっと危ないものや汚いものを日常で子供に見せてない自信あるのすごくない?」とはよく思う。
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厚生労働省のCOCOA、なんかよくわからんって人の中である層にすげえわかりやすい説明があるんですよ。
「すれちがい通信」