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西空重く垂れ込めた雲がまるでそこだけ隠す事を憚る様に退き、茜の光を切取った富士の稜線はいつしか輪郭を宵闇に溶かしていきました。作品に恵まれ様々な役柄に出逢えた2018年も残り僅か。少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです。有り難う御座いました。どうぞ良いお年をお迎え下さい(上川隆也)
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朝ぼらけのアスファルトを叩く老犬の爪音と綾なす遠い虫の音。ほんの一週間で予感は確信へ変わり、思いの外足早な季節の歩みの中で夏はもう後ろ髪しか見えない様です。もう二度と掴めない名残を見送るばかりなのは季節のみにあらず。今宵の遺留捜査に刻まれた片影に心からの哀悼を。合掌。(上川隆也)
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今頃タイタンの河に棹を差してぶどう谷を周遊中か、彗星の巣で読書に耽っておられるか。何れにせよその傍らにはミーくんが嬉しげに連れ添っているのでしょう。二度と離れる事の無い笑顔が向かうのは無限軌道の遥か彼方か。先生に頂いた抱えきれない程の夢とロマンは生涯の宝です。(上川万感の極み隆也)
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立夏。勤めを終えた一つの時代を春と共に見送り、夏の訪れと共に一つ歳を重ねました。新たな時代を生きている実感は乏しいけれど、撮影の中で皆と時代を跨いだ記憶は確と刻まれて消える事はありません。例に因って御礼の言葉は、作品をもって御返しさせて下さい(上川1986年以前なら来年定年隆也)
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飛びすさる窓外の景色のその奥に西日は稜線を掠めて紅い。独り柳生の里を立った隻眼の漢は健脚を活かしてそろそろ大坂での宿を決められた頃か。見えなかったゴールテープの向こうにも道は続いていく。彼は西へ。僕は東へ。いつか又相見える日まで。魔界転生、ご覧頂き有り難う御座いました(上川隆也)
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アルクトゥルススピカレグルスベガアルタイルデネブアンタレスフォーマルハウトカペラリゲルベテルギウスシリウスプロキオンアルデバランポルックス。夜な夜な首が痛くなるまで見上げていました。されど今宵の小さな風景を描くのは星ならぬ、コロッケが想いを繋げます(上川今でも全部言えるなぁ隆也)
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これまで遺された品々から紐解き重ねてきた物語はいつしか50を越えていましたが、今回程ご紹介に言葉を見いだしかねる一遍は無かったかも知れません。変わらずに古都を自転車で駆け抜ける糸村が、馬の毛で描き出す今宵の小さな風景は、しかしいつもとは少し違って見えました(上川来年10周年隆也)
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新月開けて3日目の月が西に傾く頃新しい物語が始まります。思えば御縁のある御二人。片やラジオや主題歌の提供などを経て役者としては13年振り。片や戦国病院幕末大企業を経て5度目の共演。月が巡る様に互いに形を変えての邂逅はこの生業の御褒美にも思えます。ラストマン。今宵21時(上川隆也)
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読書好きだった父の影響か読み書きの『読み』は幼いうちから苦にすることなく過ごしてきましたが、悪筆だけは成人して以降も一向に治る気配がないまま。変化が訪れたのは台詞覚えの為、筆記を『筆ペン』に変えた時から。文字の姿は道具が生むものなのかも知れません。遺留捜査 第4話今宵20時(上川隆也)
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包み隠さず申し上げるなら九割以上諦めていました。当時タイトルも仮のまま撮影された豪華共演者に恵まれ内容も演じ甲斐のある骨太のサスペンスのこの作品は故あって休眠の床へ。7年の時を経て漸くお届け出来る事が包み隠さず嬉しいです。3/2.13:35『赤バッヂ』(上川故今井先輩に捧ぐ隆也)
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低い雲に覆われた空に晴れ間が見え始めてきた頃合いで陽は暮れていくようです。2021年の総括の様でもあり、迎える年への兆しである事を願って止みません。久し振りに絵筆を執りました。拙い仕上がりですが御笑納頂けたら幸いです。今年も有り難う御座いました。良い御年をお迎え下さい(上川隆也
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