276
記念となる日が近づいているだろう。贈り物のひとつでもしてやろうと思ってな。そのリボンは、お前を手放したりはしない、そんな思いを込めて選んだ。さあ、手に取ってみろ。
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その代わり、無事帰れたら褒美を与えてやる。たっぷりとくれてやるから、覚悟しておくといい。
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さあ、行ってこい。
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当然だろう。常に主人の目の届くところにいるのがお前の役目だ。だが、これから行く先はどんな危険があるのか予測がつかない。決して気を抜くなよ。
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だが、お前は人間だ。人である以上……終わりは避けられない。
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そういえばユーマの畑でカボチャも育てていたはず。
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もちろん、お前も連れて行く。
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どうせ途中で音を上げ、俺を頼るのだろうな。
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間抜けな寝顔を平気で晒すとはな。
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探すほか無いな。俺は食事の支度があるから自分で探しに行け。菜園にユーマがいるはずだから聞いてくるといい。
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家畜。俺からお前に渡したいものがある。
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主人である俺を満足させられるよう、可愛く啼いてみるといい。
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自分も人間だった癖に、今更こうして狼狽えることになるなんてな。
289
気温が下がると猫のような小動物には悪影響だろう。
早く見つけ出さなければ……。
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ふたりで作業をしたから捗ったが、ひとりでは日が暮れるところだったぞ。
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どうだ。死の祝祭に参加した感想は?
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本が棚に入りきらなくなってきたな。不要なものは処分するとしよう。
293
この俺が猫に翻弄されるとは
何が起こるか分からないものだ。
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お前のその口から、ちゃんと聞かせてもらおうか。
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だいぶ暖かくなってきたな。先程空気の入れ替えで窓を開けたら、お前の香りがした。お前への想いを手紙に認めたばかりだからかもしれない。ふっ、楽しみにしているといい。
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蕩けきったその身体にキバを深く突き刺せば、お前はどんな反応をするのだろうな。鞭を打たれた豚のように、身体を跳ねさせ大きな鳴き声をあげそうだ。
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ふっ、それならいい。では、手を貸せ。
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俺に甘く溶かされ、ゆっくりと快楽の淵へ堕とされるのが却ってお前を苦しめるのだろう。痛みを覚えたそのはしたない身体では、物足りなさを感じる。違うか?
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しかし、よくもあそこまで荒らせるものだな。
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遠慮することはない。やりたいことがあるのなら、何でも言うといい。