26
コロナのせいにして済む問題ではない。弱者救済を率先したり財団などを通じて文化活動を支援したりするなどして、莫大な富を社会に還元する努力があまりにも少なすぎる。超富裕層には自分の企業体だけでなく公共の福祉を増進する社会的責任がある。
news.yahoo.co.jp/articles/7795e…
27
英語圏で生活してちょうど30年。その経験から言えるのは、英語(おそらく他の欧州語も)でのコミュニケーションには演劇的素養が不可欠だということ。演劇は役割を演じること(role playing)であり、日常生活は即興で役割を演じることに他ならないから。学校でもspeech & dramaを学ぶ学生は少なくない。
28
死去したエリザベス2世の父親ジョージ6世の国葬が執り行われたのは、死後20日。ダイアナやエジンバラ公の場合、死後1週間前後、おそらく今月中に女王の国葬が行われるのは間違いない。ならば、民意も合法性も無視して政府が強行しつつある安倍元首相の国葬は外交的意義の点でもいよいよ霞んでくる。
29
エリザベス女王の国葬は二週間以内に執り行われるとの予想がNZで報じられている。とすれば9月23日までには行われるはず。27日の安倍元首相の国葬は消し飛んだに等しい。
30
安倍元首相の国葬生中継をチラッと見たらBGMがベートーヴェン「エロイカ」の第二番じゃないか。暴君をナポレオンばりの「英雄」にしようというチャチな演出。だがベートーヴェンは自分が憧れたナポレオンの俗物性への絶望の表現としてこの曲を遺したから、この選曲は皮肉でもある。
31
実際に見聞する限り、英語圏の大学では学問の自由が内部から侵食されている。学問の自由には、学者個人が研究教育活動を行う自由、大学の制度的自治(国家からの干渉を排除)、大学の運営における学者の自治権の三つの意味があるが第三の意味の学問の自由が脅かされている。敵は大学の内部にいる(続)
32
組織運営の「専門家」と称する中間管理職ばかりが増大し、そうした学者ではない「専門家」がexcellence, transformation, innovationなどといった旗印を掲げて学者の団体である大学組織に対し、学問の論理を無視しつつメスを振るう事態である。
33
勤務先の大学では事務方面の組織改変を大幅に行った結果、事務担当部署の殆どから生身の人が消えたに等しい状態となっている。全ての問い合わせはたった一つの受付窓口に電話かメールしなければならない。各部署の担当者の電話番号は大学のウェブサイトに記載がない。いわゆる効率化の結果である。
34
いわゆる「社会正義」の立場から歴史学や文学などの人文学研究への攻撃が進行中。先日ツイートしたがオックスフォード大学でも14世紀の神学者ウィクリフの文言が「不快」だとして問題視された。「社会正義」が絶対不可侵の聖性を帯びると疑似宗教的となり現代における異端迫害や魔女狩りとなる。 twitter.com/ogawa_kimiyo/s…