26
いわゆる「社会正義」の立場から歴史学や文学などの人文学研究への攻撃が進行中。先日ツイートしたがオックスフォード大学でも14世紀の神学者ウィクリフの文言が「不快」だとして問題視された。「社会正義」が絶対不可侵の聖性を帯びると疑似宗教的となり現代における異端迫害や魔女狩りとなる。 twitter.com/ogawa_kimiyo/s…
27
安倍自民党政権はことあるごとに「民主党政権の悪夢」を口をしてきたが、今回の新型ウィルス問題への対処を見る限り民主党政権よりはるかにお粗末というべき。巨大地震と原発事故が突発的事件であったのに対し、今回は日本にいずれ問題が及ぶのがわかっていながら杜撰な対応しかできてこなかった(続)
28
人文学の意義や価値をいかに物語るか、というような小手先の策を弄するのではなく、人文学研究者が取り組むべき課題とは、現代の問題と何らかの形で切り結ぶことだろう。現代社会をどう理解するのか、これからの市民社会をどう運営してゆくべきなのか
29
しかも、私の周囲を見る限り、そうした人文学研究を行う教員には、研究の「専門化」を隠れ蓑にして自分しか関心を持たないような矮小なテーマに取り組んでいる者が少なくない。これを私は「学問のプライベート化」と呼ぶ(拙稿「人文学としての日本研究をめぐる断想」tinyurl.com/y3qrj43j を参照)
30
組織運営の「専門家」と称する中間管理職ばかりが増大し、そうした学者ではない「専門家」がexcellence, transformation, innovationなどといった旗印を掲げて学者の団体である大学組織に対し、学問の論理を無視しつつメスを振るう事態である。
31
このような認識を持つ大学人がいるとすれば恐るべきことだ。スコーパスは英語文献でも人文社会科学のものは必ずしもカバーできておらず甚だ不完全。しかも、理系でも良識ある研究者はこのようなデータだけで研究の「質」を見定めたりはしない。 t.co/SzVc1YY5V3
32
日本学術会議は国民の税金を使って何をしているのか、予算の内訳などといった論点への悪質なすり替えが広く見受けられる。非常に憂慮すべき事態だ。真の問題は、学問の自立性を守らなければ、学問を権力に奉仕するだけの存在に貶めるということ。
33
拙著『愛国の構造』で論じたように、近代国家は〈聖性〉を独占する(と主張する)機関である。今日の儀式は、日本という国家の〈聖性〉の主張を非常にはっきり看取できる機会である。「平安絵巻」さながらの装い、などという生易しい話ではない。
asahi.com/articles/ASMBQ… #令和・即位
34
一方、人文学からの応答は、といえば、人文学の意義や価値についてどのように学生に語るべきかというレトリックの問題に終止している。皮肉なことに、そうした「説法」を聞くのはすでに人文学を学びに来ている学生であって、これから人文学を学ぶかどうか決めようとしている学生やその保護者ではない。