【新横浜直行貨物船】 貨物船船長マルデカクニンセン:荷物は積んだか! 貨物船船員アンマカクニンセン:たぶん積みました! #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
廃教会は老朽化して屋根が落ちたので取り壊され、そこで見つかったなんかメッチャ冷たい開かない箱は、処分に困った工事の人により、とりあえず場所を移された。 #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
廃教会に、簡素な棺が置かれている。 ある男がおさめられたその棺は、彼がおさめられたその後、開くことはなく、ただ凍てついて、ずっとそこに置かれている。 #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
ドラルク:ヘッキシ(スナァ)!…今夜はやったら寒いなぁ。あのヒゲは部屋にこもりきりだし。落ち込んでるのかね、私がそろそろ帰っちゃうから?アッハッハ~! #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
クラージィ:首筋が焼け付くように痛み、全身が凍えた。指の先まで凍りついていく。 何が起きたのか分からない。何もかも暗くなっていく。 私は…私は…… #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
???:……だが、どんな邪魔が入って、何の仕業だろうと、お前はまだ生を選んだのだ。受け取るがいい、クラージィ。 #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
???:……あの男、最後まで余計なことを…!!! #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
クラージィ:寒い、腹が減った、喉が渇いた、さっき飯を貰ったのにまだ飢えている!傷が痛い、ああ、ああ…! #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
クラージィ:私は何を!?シスター?ああそういえば昔、慰問に来てくれたシスターがいて、彼女に抱かれた子を、私はとてもうらやましく思ったのだった、ああそんなこともあった、それが何なのだ!?どうして口をついて出たのだ?ああ痛い!死にそうだ!頭が痛い!寒い! #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
クラージィ:私は、あのシスターの、胸に抱かれるまで、死ねない…! #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
十分だ。正しいことをしたのだ。これ以上生きながらえなくてもいいだろう。体はとても寒いし、痛むけれども、私は、私は… #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
誰の声だろう。思い出せない。しかし、答えねばなるまい。 私はもういいのだ。 #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
「やり残したことはないのか。愛しいものはないのか。憎いものはいないのか。執着はないのか。一つでもあるなら、答えろ。生きたいのなら、答えるんだ。」 #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
「このままではお前は死ぬ。まだ生きたくはないか、命を繋ぎたくはないか。」 #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
眼の前がチカチカする。頭がとても痛む。眩しい。ひどく眩しい… #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
寒い。彼は無事逃げられたのだろうか。寒い。野犬はどうしたのか。寒い。 私は、正しい行いをできただろうか。 #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
──どれくらい経ったか分からない。杭があったら違ったかもしれない。あの日の力と体力なら、どうにかなったかもしれない。 全身がとても寒い。脇腹のあたりの感覚がない。はらわたが出ているように思う。 #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
それでも、それでも、これが正しい行いなのだ!!私はクラージィ、今はただのクラージィ、愚かなクラージィだ!!神よ!! #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
杭の代わりに杖を持ち、私は野犬の群れへ飛び込んだ。無我夢中で振り回した。足を噛まれた。腕を噛まれた。血があちこちから滴った。 #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ
飯を食べたので、今度は声が出た。 「逃げなさい!!」 #23巻盆用 #吸血鬼すぐ死ぬ