◆親愛なる読者の皆さんへ:先週連載が完了したニンジャスレイヤーAoM最新エピソード【テンペスト・オブ・メイヘム】にて、6年前の予告シーンへとたどり着くことができました。これもいつも実況やRTスシやnote購読などで応援してくれているニンジャヘッズの皆さんのおかげです。深く感謝いたします🍣◆
明智光秀は四本腕のニンジャとなり、ドラゴンの背にまたがって、現在のカナダ領に帰還しました。 Akechi Mitsuhide became a four-armed ninja, riding on the back of a dragon and returning to Canadian territory. #ninja_fact
二人は燃え盛る本能寺でカラテで戦い、姿を消しました。 The two ninjas’ karate clashed in the burning Honnoji Temple and they disappeared. #ninja_fact
織田信長もニンジャ。 Oda Nobunaga is also a ninja. #ninja_fact
明智光秀はニンジャ。 Akechi Mitsuhide is a ninja. #ninja_fact
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【テンペスト・オブ・メイヘム】 終わり。 次エピソードに続く。
DDOOOOM……。くぐもった鳴動を感じる。オリガミの力は結ばれ、保たれている。だがマスラダにも当面、力はなかった。休息が要る。1分。30秒でも。「とにかく、疲れた」マスラダは呟いた。憔悴しきった二人は、無言で視線をかわした。マスラダは満身創痍の状況に妙なおかしみを覚え、鼻を鳴らした。 49
「……」そしてマスラダはフジキドの前に、崩れるように座り込み、アグラした。「スウーッ……。ハアーッ……」フジキドはチャドー呼吸を継続した。肌には血の気がなく、額からは血が流れ、断続的な震えが続いていた。「……奴も……まだ生きているか」マスラダは寝ブッダの肩のザナドゥを見た。 48
「スウーッ……。ハアーッ……。……」フジキドはチャドー呼吸を継続しながら、マスラダを見た。そして、決断的に頷いた。ついさっきマスラダがしたように。マスラダは右手を閃かせた。「イヤーッ!」「……スウーッ……!」フジキドは深く息を吸い、耐えた。マスラダは摘出した琥珀を握り潰した。 47
絶え絶えの呼吸を継続するサツバツナイトを、ニンジャスレイヤーは注視した。彼はナンシーに伝えられた事を反芻し、サツバツナイトの額の呪いを観察した。邪悪な琥珀は彼の生命力同様、その力を失っている。彼は一瞬の思考を巡らせた。やれば、かりそめの処置を台無しにする事になってしまうか? 46
全てのチャドーを吐き出し切ると、ニンジャスレイヤーはよろめき、呻いた。アブストラクト・オリガミのショックに続いて、チャドーへの拒否反応じみた衝撃の余波に、彼はしばし耐えた。霞む視界で、彼はサツバツナイトを見た。「後は……やれ!」「……ス……スウーッ……ハ、アーッ……」 45
「……!……ゴボーッ!」サツバツナイトは吐血し、膝から崩れた。胸の穴は無惨に焦げながら、溶接じみて塞がれていた。ダメ押しとばかり、ニンジャスレイヤーはサツバツナイトの肩を掴み、呼吸を深めた。「……フウーッ……!」体内に残存していたサツバツナイトのチャドーが還元されてゆく。 44
ニンジャスレイヤーは掴んだ心臓ごと、自身の腕を引き戻した!彼の手は今、サツバツナイトの胴体、胸の中に位置していた。彼は深く呼吸した。「スウーッ……!」「……!」サツバツナイトの目の焦点が揺れ、ニンジャスレイヤーを凝視した。ニンジャスレイヤーは腕を引き抜いた!「イヤーッ!」 43
『ニンジャスレイヤー=サン。サツバツナイト=サンは……』幼いナンシー・リンがマスラダの脚を掴み、見上げた。マスラダはナンシー・リンの頭に手を置いた。そして店のドアに向かった。ドアを開く。01の風とともに、現世の光景が飛び込んでくる……。……010001……。……01010……「イヤーッ!」 42
今なら、鎖を御する事ができる。マスラダは直感した。部屋の中で絡まる鎖を、彼は内なる炎で溶接し、天井に突き刺した。クリスマス飾りめいて……否……そう喩えるにはあまりにサツバツとした鎖が店の中で静かに熱を持つ。外を見る。手を離しても、鎖の引力は保たれている。 41
「なってるが、どうにかする」マスラダは答えた。視線を動かすと、カウンターの上に赤黒のアブストラクトな影がアグラしていた。燃える影はマスラダを睨んだ。マスラダは睨み返した。「おれが臓器とか言っていたな」燃える影は言葉にならぬ呪詛を吐く。店を満たすアトモスフィア。チャドーの力か。 40
「……」マスラダは腕を動かした。それまで彼の身体を四方八方に引き裂かんとしていた力は、今、ある種の調和を取り戻していた。『ガガピー……オイ!通じた!』カウンターのUNIXモニタにノイズが走り、タキが映し出された。『いつまでも応答がねえから。何かヤバイ事になってるんじゃねえのか!?』39
(((おのれ……フジキド!)))ナラクの叫びが木霊する世界で、マスラダは焦点を取り戻した。そこはピザタキだ。窓という窓が割れ、赤黒く燃える鎖が店の中に入り込んできている。鎖はマスラダの両腕に絡みついている。鎖は店の外、ネオサイタマ各所のアブストラクト・オリガミから伸びて来たものだ。 38
サツバツナイトの両腕が動いた。そしてニンジャスレイヤーの両側頭を、両掌で、挟み込むように打った。そしてそのまま押さえ込んだ。両手と胸の致命傷、その三点を通し、サツバツナイトのチャドーはニンジャスレイヤーの体内に吸い込まれてゆく!「AAAARGH!」ニンジャスレイヤーが咆哮する! 37
「イエ!」サツバツナイトの赤い目が光った。ニンジャスレイヤーは訝しんだ。胸を貫き、背中側から腕を飛び出させ、脈打つ心臓を握りながら。サツバツナイトの肉体に残存するチャドーが、筋肉をなお駆動させ、赤黒い腕を咥え込み、動きを封じた。サツバツナイトは口を動かした。(モト!)36
「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは地を蹴った。サツバツナイトはコンマ01秒に己の呼吸を圧縮し、強く吸った。彼はチャドーとなった。そしてジュー・ジツを捨て、両手を広げた。まるで柔らかいトーフを貫くが如く、ニンジャスレイヤーは容易くサツバツナイトの胸を貫き、心臓を摘出していた。 35