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『きさらぎ駅』、本編も満足だったんですけど場内のリアクションもさいこうでした。金曜の晩、繁華街の映画館、そしてホラーということでヤンチャ系の若者で溢れかえる場内。はしゃぐ声、飛び散るポップコーン、とめどない私語、暗転しても止む気配のないそれら。一瞬よぎる不安。呼ぶか、スタッフを。
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しかしわたしは信じたんですよ、映画の力を。物語が彼らの心に掴みかかってくれるであろうことを。そしてそれは果たされたのですよ。 上映開始数分後には既に静まり返っていた場内。ポップコーンのカップをかき回す音も、隣の仲間にささやきかける声もない。スクリーンをただ一心に見守る観客たち。
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愉快な展開があった時にだけもれる笑い声。そしてこわいポイントできちんと響く息を飲む音。なんかの祭りの打ち上げ会場みたいだった場内がまるで水を打ったよう。みんな夢中で観てた。クライマックスまでそれは続いた。スマホも全く光らなかった。
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なんとエンドクレジットが流れ始めた時もその状態は変わらなかった。エンドクレジットといえばいつもの経験からいうと、高確率でスマホを点灯させる人やしゃがむことなく退場する人が続出するパートですよ。作品にかかわらず大体そうですよ。でもいなかった。
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そして、エンドクレジットがおわり最後の映像が流れ場内に灯りが戻った時、観客たちの口からいっせいにため息がもれたのが聞こえたんです。緊張が解けた時の、満足した時のあのため息ですよ。なんかね、無茶苦茶感動しました。ああ、これなんだよなあ。映画館のこれが、わたしはたまらなくすきだなあ。
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『きさらぎ駅』の製作にかかわった人に、この景色を見せてあげたいと思ったですよ。上映が始まる前と終わった時のこの景色を。さいこうじゃんか。映画の力さいこうじゃんか。ええもんみさせてもろうた。本編も、リアクションも。 届いて欲しい、きさらぎ駅の人に。映画めっちゃウケてたです、と…!
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映画館に行くとちょくちょく客層ハズレ回に当たることがあるんですけど、今日観た『ビースト』はクソデカ相槌おじさん回で、コトが起こるたびに「おいおいおい!」「何してんだよ!」「あーあ!こりゃもう死ぬよ!」などの怒声があちこちからあがり、捉えようによってはある種の応援上映と言えよう。
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今日『カラダ探し』も観たんですけど、ただ空気吸ってるだけでも超かわいい橋本環奈ちゃんが「クラス中から無視されてて男子からも付き合いたくない女子ナンバー1扱いされている子の役」と、人物設定が異世界すぎて話に入り込めなかったので、キャスティング考える人はもうちょっと現実を見てほしい。
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すべての映画がそうじゃないんだからすずめだけにそれを求めても、ってことじゃなく。なんで一日2〜30回も上映してて字幕付きが一回もないんだっていう話です。
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わたしはほんとうにこれがだいすきだったんですよね。ほんとうにだいすきだった。