白岩英樹 SHIRAIWA Hideki(@s_andersonian)さんの人気ツイート(新しい順)

安藤聡『なぜ英国は児童文学王国なのか』(平凡社)を拝受。風土や文化、歴史的背景からファンタジーの名作を読み解いた論集。英国児童文学の伝統ともいえる「親の不在」や、階級社会で自由を奪われた子供たちの退屈や不満、そしてそこから始められる非日常的な冒険。
コーネル・ウェスト『哲学を回避するアメリカ知識人』村山淳彦/堀智弘/権田建二訳(未來社)。政治思想史と同様、哲学においても、アメリカを「西欧」の枠組みで捉えることは不可能です。プラグマティズムの「前史」に位置づけられるエマソンの功績を、H.ブルームは「アメリカ教」の創出と表現しました。
『講義 アメリカの思想と文学――分断を乗り越える「声」を聴く』(白水社)の見本が届きました。混迷の時代に「どう生きるか」。さまざまな水準で抑圧や差別に抗い、二元論を乗り越えようとした思想家や文人から、多くの「声恩」を授かりました。全7講の掉尾を飾るのは詩人の伊藤比呂美さんです📚
なによりも、まずは銃をなくさねばなりません。しかし、特権意識や孤立も徐々に削ぎ落とされて然るべきでしょう。これらはすべて、家父長制の別の側面なのかもしれません」――以上です。
ミソジニーはいつの世もほとんど変わることなく、社会に潜在しています。しかし、いまはそれらすべてが高い頻度で繰り返されています。そして、いつも気にかかるのは特権意識です。他者の命を奪う権利など誰にもないにもかかわらず、彼らは皆、自分たちにはその権利があると決めてかかるのです。
経験したとしても、乱射事件を起こすことはないのですから。  ヘイトクライムにはその対象となるカテゴリーが存在します(ユダヤ人、移民、イスラム教徒、クィア、女性など)。それらに続くのが、不満を募らせた元従業員や学生、さらにはファミリサイド(訳注:家族心中)といったサブカテゴリー。
憤怒に駆られ、自分には他者の命を奪う権利があると独断する。そして、それを実行するために、いとも簡単に入手できる戦争兵器を手にするのです。判然としない謎の動機についてメディアが騒ぎ続けるのは、退屈な憂さ晴らしに過ぎません。多くの人々は、このような犯人たちが味わった困難や不幸を
米カリフォルニア州で銃の乱射事件が相次いでいます。以下、男性の「孤立」や「特権意識」、その背景に見え隠れする「家父長制」に言及するレベッカ・ソルニットのtweetをざざっと翻訳します――「銃乱射の犯人は(わずかな例外を除けば)ひとつのタイプに収斂します。みじめで孤立した男が twitter.com/RebeccaSolnit/…
エリカ・チェノウェス『市民的抵抗――非暴力が社会を変える』小林綾子訳(白水社)を拝読。かつて斎藤幸平さんが『人新世の「資本論」』で、「「3.5%」の人々が非暴力的な方法で、本気で立ち上がると、社会が大きく変わる」とチェノウェスの研究を紹介されていました。それを読んだときは「3.5%」
R. ホール作、H. マルティネス絵『女奴隷たちの反乱――知られざる抵抗の物語』中條千晴訳(花伝社)。支配層による「歴史」は奴隷の抵抗運動を陰に隠しつづけてきました。それによって被支配層に無力感を募らせ、システムをより硬直化させることに成功してきたわけです。弁護士として「司法制度」の歪み
基礎読書法の授業も後半。クロポトキン-中江兆民-幸徳秋水-大杉栄-伊藤野枝と辿ってきた系譜を、今週は鶴見俊輔とジーン・シャープへ接続しました。家父長制に端を発する暴力や抑圧。その末路が独裁国家だとすれば、それらに対する非暴力抵抗を貫くのに必須となるのも相互扶助だと思います。
歴史的経緯を無視した言動は暴力であり、腐敗した帝国主義の成れの果てです。「捨石」状態が長期化する沖縄での新基地建設は、「日本の終わらない植民地主義を象徴する国策」。米国には隷従し、その鬱憤を沖縄に向ける。文化の成熟は「無意識の植民地主義」をいかに意識化するかにかかっています。
D・グレーバー『負債論』酒井隆史監訳(以文社)。総頁数800超の大著ですが、授業開始前に読んでおかねばと駆り立てられるように読みました。金融メルトダウンの最中に着手された「八方破れの学問的書物」は、利潤が富裕層に私有化される一方で、損失は貧者へ社会化される体制の虚偽を指摘します。
堤純子『アーミッシュの老いと終焉』(未知谷)。宗教と国家、さらには個人と共同体との関係性を問い直す糸口になればと考えて、手に取りました。20世紀初頭は5千人ほどにすぎなかったアーミッシュの人口は、1960年代以降、約20年ごとに倍増しつづけ、2018年には32万人を超えたといいます。
いま必要なのは、封建的な道徳教育ではなく、丁寧な民主主義教育ではないか。そんなことを考えつつ、敗戦後まもなく文部省が著し、1953年まで中高で使われた教科書を再読。曰く「民主主義は文字どおり生か死かの問題である」。初読時よりも切実に響くのは、社会状況が危険水域にあるからでしょう。
エドウィン・ブラック『弱者に仕掛けた戦争』貴堂嘉之監訳、西川美樹訳(人文書院)。20世紀初頭のアメリカで、この世に生まれ出づることを禁じられ、誰にも声を聴かれなかった人々。「最も聡明な頭脳の、最も暗い面」を果敢に探究した著者は、本書の冒頭において彼らの声を代弁すると語ります。
邵丹『翻訳を産む文学、文学を産む翻訳』(松柏社)。読みたい、読まねばと思い続けていましたが、実際に手にして驚嘆しました。力作、大著、マスターピース! 村上春樹の源流を追究すべく3.11直後に来日した若き研究者によって、翻訳と文学の相互生成をめぐる、堂々たる冒険が展開されています。
「新自由主義地獄」の窯の蓋を開けた故中曽根元首相は合同葬でした。文科省が国立大等に弔意を表明するよう通知。大問題となりました。祈りほど、個の自発性に委ねられるべき行為はありません。国葬による強制は個人の内面への侵食です。 #安倍晋三氏の国葬に反対します tokyo-np.co.jp/article/61854
きのう誕生日を迎えたレベッカ・ソルニット。女性への宣戦布告なんてまったく望んでいなかったこと、けれど全力で戦うと前置きし、女性のみならず誰もをエンカレッジ/エンパワーしうる言葉をつづっています。とりわけ、マイノリティとマジョリティの転換が秀逸。以下、全訳します。 twitter.com/RebeccaSolnit/…
江崎聡子『エドワード・ホッパー作品集』(東京美術)。シャーウッド・アンダーソン『ワインズバーグ、オハイオ』の表紙に用いられること複数のホッパー。日本語で書かれたホッパー本としては決定版だと思います。A4判オールカラーで印刷・紙質ともに申し分なく、著者による論点の整理も巧み。
ウクライナ最大の美術館では収蔵品の避難が行われています。 「普段は善いことをすると心躍るものですが、いまはなにもない壁を見ると、やりきれない悲しみを覚えます」 「美術館は生き残らねばなりません。なによりも子供たちです。自文化の土台を学ばなければならないのです」 #NoWar twitter.com/AP/status/1500…
児童を「消費者」に貶めてはいけませんし、教育や教員は「商品」ではありません。学校を「市場」にしてはいけない。
記事では「国からの運営交付金が抑えられた」大学が「厳しい財政状況」にあるため、「効率的」な運営を求められていることが語られる。しかし、その大本には、教育や研究の隅々まで「効率化」を求め、過度な競争原理の導入によって「大学間ジニ係数」を拡大した新自由主義政策がある。
南京大虐殺の「有無」については、すでに学問的にクローズド。「有った」という答えが出ている。だから議論の必要もない。それを「無かった」とするのは歴史の改竄。そうではなく、問題の「詳細」をオープンにして両国間の熟議を促すのが本来の国会議員の務めではないか。学問や教育への介入ではなく。 twitter.com/yamazogaikuzo/…
その葛藤をなくしてしまったら、あとに待ち受けているのは、専制政治による全体主義です。 「人権は憲法によって『与えられた』ものではない。憲法によって『保障された』ものだ。誰からの侵害に対して? 国家権力からの侵害に対してだ」 前川喜平『面従腹背』(毎日新聞出版), 231頁.