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「作品に罪はない論」は「昔自分をいじめていた人が大人になって地元のテレビ局のアナウンサーとして家のテレビに映ったのを見て過呼吸になった」という友達の話を聞いてからあんまり乗っかれなくなった 論と事象との間に直接的なつながりはないかもだけど人の罪とその被害の苦しみは消えないって話
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インスタ見たら上智卒の鼻につく女たちがみんな薄暗い部屋の見えづらいプロジェクターで流すフジロックのMURA MASAをユラユラ揺らしながら撮るストーリーが100億個くらい流れてきて具合悪くなった
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自分が「すでに通過した」と思っているところにいる人にはもう惹かれないという話は昨日すごく腹落ちした
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「東京じゃ年収1,000万ごときじゃロクな生活ができない」に対する反響を整理すると「利便性も快適性も高い都心の家賃の高い家に住む」「デートでいいお店に行って奢る」みたいなのを当然の必要経費だと思ってる人とその考えが全く理解できない人で世界が真っ二つに割れているらしい
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「笑ゥせぇるすまん」読んでると金がない金がないと困ってる人が毎晩毎晩飲みに行ったり賭け麻雀したりしてて「その辺の描写が妙にリアルだな」と感心する 金がないからと高円寺のガールズバーで働き始めた友達が平気でタクシーに乗りウーバー頼んでたのを思い出す
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神保町のワインバーで隣の女の子に絡んでた男が酔っ払って赤ワインのグラス倒して女の子にビチャビチャに赤ワインぶっかけた直後に「アッ僕丸紅なんですけど…」って名刺出したのかなりよかったな おれはこういうのが見たくて東京に家賃払ってんだよ
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人生のあらゆるところに、あらゆる街に、不幸はみんなを殴るための棒を持って潜んでいますし、不幸に殴られたとき、だいたいの場合それは自分のせいだったりします。自分で招いた不幸に殴られ傷つくなんて!耐えられなくなって、死にたくなることもあると思います。それでも生きてゆくしかないのです。
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雰囲気で仕事してる人のこと「印象派」って呼んでる
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誰もが苦しみながら生きています。死なないでください。そして同じように苦しむ人たちを思い、ビートルズを聴かせてあげてください。私の母は父からモラハラを受けていました。短大卒のお前が何を偉そうに子供を教育しているのかと、よく馬鹿にされ、それでも彼女は、車でビートルズを流しました。
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地方から東京の大学に出てきて東京の会社に就職するもメンタルやってしまい県人会で仲良くなったおじさんに紹介された後継ぎのいない地元の名産屋かなんかを継いだ友達がFacebookでロクにいいねのつかない地元アゲ投稿を続けてるのを見ると「正しい選択肢だったと自分に言い聞かせてる感」が出てて辛い
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家を買ったんです。自由が丘の、目黒通り沿いの中古マンション。築年は古いけど、中はオシャレにリノベしてるんですよ。僕の人生みたいでしょう?表面だけピカピカに見えて、白い外壁は黒ずみ、鉄骨はじゅくじゅくと朽ちてゆく。瞬きする蛍光灯。妙に明るくて薄ら寒い、共用廊下みたいな僕の人生。
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東京に出た先生に不幸があったように、地元に残り、駅前のマックで怪盗ロワイヤルの話をしながら氷を噛んでいた同級生たちにも不幸があったかもしれません。もしかすると袴を履いたヤンキーたちにも。もしかすると君たち自身にも。すべての人には、その人だけの見えない地獄があるものです。
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子供を育てるというのは大変なことです。質量保存の法則みたいなもので、自分が与えられてきたものしか子供に与えられないものです。親から少女漫画しか与えられてこなかった母は、子供を東京の大学に入れる方法なんて知らなかったのです。そこで母が苦し紛れに買ったのがビートルズのCDだったのです。
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あんなホームラン打たなければよかった。小気味のよい金属音の残響。夏空に突き刺さる白球。地区予選の一回戦。引退前のお情けで出た代打。緩い放物線を描いた打球がスタンドに落ちるまでのその永遠のような一瞬に、適当な大学を出て銀行員にでもなるはずだった僕は、囚われて出れなくなってしまった。
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「せっかく美容院に行ってかわいくなったのに人と会う予定がない」「せっかくメイクうまくいったのに人と会う予定がない」みたいなときに呼んでもらえたら「かわいいですね」と言いますのでいつでも呼んでください
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「久しぶり!笑」からの「結婚式やるから来てね!笑」を受信して「久しぶりに連絡するような人を3万円かかる素人コスプレ大会に呼ぶなよ」と大きな声で叫んでしまった
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そういうときにただ「ダサいなぁ」「刺さらないなぁ」と言っても別にあなたの格が上がるわけでもないので気を付けようね
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大人になるってのはデートでお台場に行かなくなること。付き合う前にわざわざ告白なんかしなくなること。あの頃の僕らはデートでお台場に行ったね。観覧車で告白して付き合ったね。あれから10年経ったね。二人とも大人のふりをして、東京で傷だらけになったね。あの日のお台場デート、まだ覚えてる?
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そして先生は東京から転落しました。先生には特別な価値なんてものはなくて、ただ人を見下し、それでいて見下し続けるだけの努力も能力もなく、すぐにその薄っぺらい自信をひっくり返されて、今度は地面に這いつくばった自分が見下され笑われることの繰り返しで構成される惨めな人生だけが残りました。
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「マッチングアプリで東大卒GS勤務のイケメンとデートして健全解散したその日から魚民合コンで出会ったソフトバンクショップ勤務の彼氏がしょうもない男に見えてしまい別れてハイスペ婚活をスタートするも何年経っても結婚できない短大卒の事務員」という地獄を思いつきましたが今はうどんで忙しいので
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「大手メーカーの内定取ってイキってたら風俗とパチンコとイオンしかない地方都市の工場に配属され無駄に広くて安い1LDK賃貸の部屋の隅のニトリのベッドの上で馬鹿にしていた同期たちが都内で合コンしたりカラーランに出たりするのをインスタで眺めるマーチ卒」の話を思いついたけど二度寝で忙しいので
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「若手から裁量を持って活躍できる御社で、圧倒的に成長したいです!」パチリ。深夜2時。数年前リクルートスーツを着てそう絶叫した会議室で、僕はひとり翌朝の会議資料の束をホッチキスで留めていた。人と違う選択をしようと入った人材ベンチャーで、慶應卒の僕の二十代は擦り切れようとしていた。
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ダイエットや課金でも根っからのブスはどうしようもない。夫だって塚地みたいだ。それなのに― なぜあんなに、幸せそうに笑えるんだろう?パレスホテルのありふれた結婚式で、私が見下していたゼミの同期のあの女は、私が一生手にすることのできないありきたりな幸せに首まで浸って、笑っていた。