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そう言う生活をする中で、私自身もそうだったが、性的な対象としてしか存在意義がないと思われたり、性的な目線で見られることは良いことなのだと思おうとして、女の子たちがそれを内面化していることはある。しかしそれは彼女たちがふしだらで男を誘惑しているのではなく、そういうことを求めてきた、
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男子が「自分たちは女と違って体を売れないから」と女の子たちに男性をあてがい、体を売らせることにより、自分たちが泊まるホテルを女の子を使って確保することもあり、性搾取する側として、加害者になることが多い。そのため、Colaboでは女子を支える活動をしている。
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③登壇者の医師の男性
「虐待の連鎖があるが、親の支援はしているのか?」
仁藤返答「親にも支援は必要だが、親と子どちらにも同じ人が対応するのは子どもにとって安全ではない。日本では児相でも子どもと親と同じ担当者が関わるため、子どもにとっては親と話をしている人とは話せない。
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関わってきた女の子が母親になったら母子共に関わることはあるが、Colaboが女の子たちと出会うのは彼女たちが10代の時であり、ほとんどの場合親からの虐待を受けている。そのため、Colaboでは親には一切対応せず、あくまでも子どもの立場で関わっている。親への対応が必要なときは児相や弁護士がする。
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そういう振る舞いをさせることを15.6にして身につけさせてきた男性中心社会の問題であり、それを少女たちのせいにすることは大変な加害行為である」
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親も子も、困った時や自分だけではできない時に、頼ることは悪いことではなく、どんどん頼って良いのだと、それが当然のことになるような社会にしていかなければならない。」
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④保護司の男性から
先日「東横キッズ」が警察に補導される映像をテレビで見た。スマホを取らないで!と女子が叫んでいたが、なぜスマホを取られたくないのか。そしてその後、補導しても色々経てまた街に戻ってきてしまうといっていたが、なぜ戻ってくるのか、と言う質問があった。
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押し付けていること、背景に目を向け、一時保護所の在り方の改善や受け皿を増やすこと、「家に戻す」ことが良いことだと考える風潮にも問題があることなどを伝えた。参加者のうち半分は女性なのに、ここまで全員質問者が男性なこと(女性が発言できない環境)にうんざりしていたが、最後の質問者が最悪。
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スマホについては彼女たちにとってはなくてはならないものであり、私でもないと無理。なぜ戻ってくるのか?については、そもそも講演の中で丁寧に伝えていたけど理解していなかったのか?話を聞いていなかったのか?と思いつつ、福祉が機能していないこと、ケアではなく指導的な目線で子どもに問題を
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「いやあね、昔は女性というのは弱いものだから」と続けてくる。
「質問があるなら端的にお願いします」というと、「最後に質問があるんです。聞いてください。昔の男性は〜」と、続ける。「あなたの話を聞きたくありませんので」というと、「最後まで話させてください。最後まで聞いてください。」と
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⑤弱い女を守ってあげるマン
まずこの人は、「昔の男性と今の男性は違うと思うんですね。自分は70代だが、その時代は女性は弱いものだから守ってやる〜」と持論を展開。こりゃだめだと思い、私が「あなたの意見を聞く場ではありませんので、質問があれば端的にお願いします」と伝えると、
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「この場はあなたの話を聞く場ではありません。それは女性差別なので、女性差別をする方の質問は受付ません。」と強く返すと、「誤解です。言い方が悪かった。けれど、昔は女性は弱いもので
」と続ける。
「それが女性差別なので。そのような発言で男性たちが女性の尊厳を傷つけ、今も女性たちの発言の
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機会を奪っている。そのような発言は女性の口を塞ぐものであり女性差別です。今日もここまで質問した5人全員が男性であり、そのこと自体がこの場自体も男性中心的で女性差別が内在していることを証明している。」と続けると、質問者の男性が立ち上がり、私のすぐ近くまで歩いてきた。
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その間、他の登壇者も、運営者も男性たちばかりなのに男性を止めようとしない。私がマイクで「止めてください」と言ったところで、ようやく運営の男性が来て、質問者の男性を止めた。その男性は私のすぐ目の前まで来ていた。今まで講演は数百としてきたが、こんなに危険を感じた運営は初めてだった。
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と私はマイクを持ち続けた。その間、女性たちは、私に賛同して拍手したりうなづいたり「そうだよ!」などと遠慮がちに、しかし怒りに満ちた様子で口々に言っていた。
②と⑤は明確な差別発言であり、(無自覚であったとしても自分の正当性を押し付けようとする)攻撃目的のよくある発言だ。
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「こんな男性の発言を許す場では、女性は発言できない。このようなことがあっても、男性たちは誰も発言者を非難せず、この会場の中で1番の若年者であり女性である私に対応させていることが問題である。そのような運営にも問題がある。女性が発言しないのではなく、できないのだ。
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質問者の男性は、話しているのが私ではなく医師の先生たちであれば、こんな言動しないだろう。私のところまで来て、自分の話を聞け!なんて言ってこないだろう。
こうした男性たちを放置してきた男性社会が問題であり、こういうことがあっても男性たちが誰も止めに入らないことも深刻さを表している」
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これが女性差別ではなく、別の差別だったとしても、人権問題について関心が高く、弱者に寄り添うとうたう立場にいる主催者たちは、それでも声を上げなかったのだろうか?
帰り際、そこの1番偉い人(男性医師)から、さらにひどいことを言われた。「色々な人がいるから、排除はできないので」と。
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女性差別発言は「いろいろな意見」とされてしまうのだ。
ちなみに、⑤の質問者は、その前にこの偉い人に謝りにっていた。謝る相手が違うだろ。反省はしていないので、本当の意味での謝罪ではないことは明らかなのに、別の主催者が、その男性が(おそらく私に質問する前に)に書いた感想文を見せてきた。
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それを読んで思ったのかもしれない。私はその感想文を見て、男性に内面化された女性差別の根深さを感じた。
さらに、その主催者の方が今回のようなことを引き起こしたことについて謝りつつ、ズレた問題意識を持っていたため、そもそも女性が発言しにくい運営・場作りの問題を指摘した。
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そこには、仁藤さんの話は素晴らしかったと書いてあった。その男性は、私に「差別だ」と言われた後、「誤解だ!」と私のところまで来て、その感想文を渡そうとしてきたのだけど、なぜそんなものを私に見せてきたのか。意図はわからないが、私の思っているような人ではない、ともしかしたら
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とびっくりした。それ、相手が官僚だったら言いませんよね?と。
「女性じゃないほうがよかったので、あなたを呼びました」とか、「地位のある人ばかり呼ばない方が良いと思って、活動家のあなたにしました」とか。つまりこの問題を本当の意味で学びたいと思っていなかったわけです。
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登壇者・支配を含めた発言者が私以外はすべて男性であり、最後に添え物的に、運営側の女性に挨拶をさせて感想を言わせていたことなど。
すると、自団体でもこれまで講師として呼ぶのは官僚などの男性ばかりであり、そうした問題意識から、女性活動家を今回呼んだと言われた。なんて失礼な話なんだろう!
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そして、もし官僚の講演だったら、その官僚に対して差別的で上から目線の発言をした参加者が、壇上まで来たら、すぐに止めるのではないですか?と。
攻撃されても良い対象だと思っているから、攻撃者の気持ちがわかってしまうから、動かなかったのではないですか。と。尊厳が傷つけられた1日だった。
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俺の話を聞け!という男たちによって、女たちは日々黙らされ、声を上げることすら諦めさせられる。私が今日もおじさんたちに抵抗したのは、おじさんに理解させるためでなく(期待してない)、女性たちが痛みを言葉にし、それを力にし、女の連帯を強めるため。怒っていいんだ!とこれからも言い続ける。