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刀ミュくんには申し訳ないのですが、審神者は野外フェスに向けてしこたま鍛えないといけないことが分かってもサボってしまう生き物なのですね。ですから、腹筋やら背筋やらを促す動画とか作ってくださってもいいんですよ……一緒にやろ!みたいなやつ……ネッ?だめか?何とかならんか?
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審神者が死んだ。
幸い、審神者の子が霊力を持っていたので親の本丸を引き継ぐ手筈と相成ったが、子はまだ幼い。子が成人になるまでは中継ぎの審神者が宛てがわれることになった。
よくある代替わりの話である。
先代が喚んだ男士は、一応行く先が選べる。
次代を主とするか、刀解、連結、習合か。
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「集めるのが好きだなぁ」
ぽつり、千代金丸がそう呟いた。
多分夏の連隊戦開催の知らせを受けたからだろう。
世間話を振られたと判断した私が「本当だよねえ、貝に玉。毎年毎年よく集めさせるもんだよ」なんて返したら、千代金丸はキョトンとした表情を浮かべている。
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#夏だしフォロワーさんの怖い話教えてください
姉の話。
朝方。瓦屋根がカタカタと鳴る音が聞こえたので薄ら目を開けたら、窓の外に黒い何かが見えた。
それはじりじりと屋根の上を歩き、かたり、かたりと瓦を踏みながら姉の部屋へと近付いてきた。朝焼けはいまだ遠く、奴の正体は分からない。
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恐慌状態に陥った姉は、ひたすら神に祈った。
『お願いだから入って来ないで』と、口の中で何度も何度も呟いたそうだ。
が、姉の祈りは虚しく、奴はベランダに降り立った。姉の耳にはベランダの床材が軋む音が聞こえてきたので、相手の動きが分かったらしい。
奴はガタガタとガラス扉を揺らし始めた。
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奴は窓にべたりと張り付き、姉のことをじいと眺めた。姉は恐怖のあまり、動くことも、叫ぶこともままならなかった。
微動だにしない姉を眺めることに飽きたのか、奴はまた瓦の上をのったり歩き始めた。
そして姉は気付いた。
この部屋は、ベランダと接している。
このままでは入られるのでは?と。
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ガチガチ震える歯をどうすることもできず、ただ時間が過ぎるのを、姉は待った。
後に姉は体感では永遠に等しい恐怖の時間だったと言っていたから、余程恐ろしかったのだと思う。
奴は暫くガラス扉を揺らした後、侵入は諦めたらしい。再び屋根瓦をのたのたと歩き始めた。
姉は思った。ああ、助かった。
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しかし、姉は同時に気付いた。
──アレは、妹の部屋に向かっている。
先程まではぴくりとも動かなかった身体が、跳ねるように動いた。
姉は飛び上がり、窓へ張り付き、奴の動きを具に眺めた。
屋根瓦をゆらゆらと歩く黒い影は、妹の部屋の窓へと張り付き、そしてそのままふわりと消えた。
違う。
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──アレは、妹の部屋に滑り込んだのだ。入ってしまったのだ。
姉は震えながら部屋を飛び出て、両親の寝室へと向かった。
愚かな妹の部屋に、エアコンは付いていない。だから彼女は窓を開けたまま眠る。奴にとって妹の部屋への侵入はさぞかし容易だっただろう。
姉は泣きながら両親に助けを求めた。
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私の話。
朝焼けを見たいが為に屋根に乗り出し、朝焼けを拝んだ後、姉の部屋経由で自室に帰ろうとするも鍵が掛かってたので入れず、屋根経由で帰室。満足してスヤァしようとしたら父の怒号と凄まじいドアガチャにより恐怖で泣いた。あと顛末を知った姉がめちゃくちゃ怒ってて怖かった。
終
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まんば、うちの本丸もしかして蛍光灯使ってる?主お金出すからLEDにしよう。ねぇ……この蛍光灯切れかけてんよ……?