1
｢コロナ、気をつけて｣と言いながら展示を行うのは矛盾しているのだけれど、画廊の方も店を潰すわけにはいかないし、絵描きを支援したいと思っている。絵描きは絵描きで画廊になんとか頑張って欲しいと。みんな矛盾を抱えながらギリギリのところで綱渡りをして生きている。たぶん世界中で。
3
創元推理文庫より、映画化されカルト的人気を博した｢ピクニック･アット･ハンギングロック｣の原作が本邦初訳で出版されます。
装丁は素敵な装丁を数多く手がけている柳川貴代さん。装画はわたくし豊永が担当いたしました。12月20日頃の出版です。書店でお手にとっていただければ幸いに存じます。
4
ラテン語で “sub rosa” 「薔薇の下で」というと、 ｢秘密に･･･｣という意味を含み、密室でのやりとりを暗示します。薔薇は秘密の象徴でもあります。幾重にも重なった花びらが秘密を内包しているように思えるのでしょうか。
Gerard van Spaendonck
5
ハッシュタグって普段つけないけれど、この#は見ていて心がときめくな。
#あなたの花見せてください
[油彩･テンペラ混合技法]
7
いまだかつて、こんなに薔薇を美しいと想いながら描いたことがないような気がします。もう何十年も育て描き続けてきた薔薇。わたしの心の方に変化がおきたのでしょうか。
9
私だけの感覚だと思いますが。絵具を塗ったときに厚みが出た、描き込んだというよりは｢透明になった｣と感じる一筆があり、それが私の正解のように思います。こうして一筆、一筆、結晶化が進めばいい絵ができるはずだと信じて。
[油彩画]
10
11
同じ葉っぱの緑を見ても3種類の緑にしか見えない人と10種類の緑に見える人がいます。真のアイルランド人は緑色の識別に特化していて、山を見て何十色もの緑に分類できると聞いたことがあります。
あまり語られることのない菊の葉っぱだって、すごく美しいと思って描けば。
[植物画]
12
昔、通っていた粋な日本酒のお店に「鶯宿梅」というアテがあり、鶯に見たてた山葵をもっと効かせて欲しいときに「鶯を鳴かせて」と言うのだと店主の方に教わった。もうお店もなく店主の方も亡くなられたとか。夜の美しいまぼろし。
13
私がひとつ芸術が素晴らしと思うのは、感動している瞬間はネガティブな感情からまったく解き放たれているということです。恐れや怒り、憎しみ、嫉妬、罪悪感などといった負の感情は感動の情と相容れない。その時心の深いところでひょっとしたら魂のレベルで癒やしが起こっているのではと思うのです。
14
ウォーターハウスまで「受動的な着飾り」「ファム ファタール」「少女の裸体」が問題となって撤去。
女は己の美学によって着飾るのです。
ファム ファタールが男だけのものだなんて！女もファム ファタールに魅了され、憧れるのです。
ヴィクトリア的幻想に打ち負かされたい。
15
写実も好きですが、有本利夫さんとかピエロ デラ フランチェスカやフラ アンジェリコの風化したようなマチエール、ややデフォルメされた画もとても好きで時々、描きたくなります。横からの光で写真を撮ってみました。布目が浮かぶ。少し不思議な絵が好き。展示は26日まで。
17
鉛筆画初心者の方｢擦筆｣って使ってますか。時々削りたくなると思いますが、100円ショップで売っている爪ヤスリ、割と使えますよ。鉛筆も研げます。
どうしてこんなどうでもいい情報を流してるかというと、私の鉛筆画を見て鉛筆を買いに走ったという可愛らしいお嬢さんが二、三人いらっしゃったの。
18
本日より渋谷 東急Bunkamuraの地下の本屋さんNADiff modernで2カ月ほど展示をしております。期間が長いので渋谷に行くかもしれないという方、よろしくお願い申し上げます。
19
ー‡¦ 展示のお知らせ ¦‡ー
[ パンドラの箱 2021 ]
2021.12.11 satー12.26 sun
12:00ー19:00 （月、火曜休廊）
篠塚はるみ 新宅和音 やちだけい
横田美晴 豊永侑希
みうらじろうギャラリー
東京都中央区日本橋大伝馬町2-5石倉ビル4F
今年最後の展示です。よろしくお願い申し上げます。
20
中国から謎の植物の種子が世界中の家に送られてくる小事件が発生しているようですが、絶対に植えないでください。生態系を壊すのはもとより、触ると火傷のようになる植物や毒性のある植物、土の健康を損なう植物もあります。とりあえず交番に持っていく。声をあげてください。
21
雨。私の庭の薔薇は桜のように春にしか咲かないものが多いので、緑ばかりですが、春に咲いた薔薇をどうぞ。アスタルテ書房での展示では薔薇の植物画を数点展示いたします。
豊永侑希。
薔薇を育てて、絵を描きながら色々と思うこと。