1
と、じいちゃんに意志を託されました……
信州に行く際は、落花生を持参して遊びに行くようにしてます……
(´;ω;`)
2
その後、じいちゃんは驚異的な回復力で癌を克服し、退院した当日に畑に行き、落花生を撒きました。
じいちゃんから言われた事……
「信州の人に会ったら優しくしてやってくれ。もしかしたら同期兵の家族かもしんねぇ。仲良くなったら落花生ばやってくれ。俺はもう、そっちさ行く体じゃねぇから」
3
「俺は昔、信州の戦友と落花生を食わす約束ばした!俺は戦後に婿入りして苗字が変わった!奴が千葉県中探しまわって会った時に、今年は落花生が無いっと言ったら、また悲しい思いばすったろ!そんな情けねぇ話があっか!」
この信念に、拙者は泣いた……
4
そんなじいちゃんも、79歳の時に、癌に蝕まれ、入院しました。
しかし、じいちゃんは畑が気になり、何度か病院を脱走しようとしました。
拙者ら家族は、じいちゃんの体の事を思い、引退して治療に専念すべきと話しましたが……
5
時は流れ……
戦争は終わり、体ひとつで戦地から帰ってきたじいちゃん……
色々とありましたが、拙者が産まれるまで話を飛ばします……
じいちゃんは戦後から農家になり、
「俺の時代は食うもんに困った。だから今は食う物を作り続けるのが俺の戦争だ。お前らにひもじい思いはさせねぇ」と……
6
その後……
その少年兵の話を聞くと、じいちゃんは【消えた】としか話してくれませんでした……
戦地でその少年兵は【迫撃砲弾】が命中し、文字通り【消えた】と……
じいちゃんはその少年兵を【死んだ】と認めずに話を進めてました……
7
「22時間じゃ家族の元へ(信州)帰れないし、敵前逃亡と見なされるから……」
そう聞いたじいちゃんは、その少年兵と1晩、東京駅周辺で過ごしたと……
少年兵からの話に、例の落花生の思い出を話されて、嬉しくなり
「戦争が終わったら千葉さ遊びに来い!胃袋落花生で埋めてやる」
と、約束しました
8
「これより22時間、自由時間をやる。家族へ今まで育ててもらった礼をしてこい!解散!」
と、言われ同期兵はそれぞれ汽車に乗り、家族の元へ帰った……
しかし、例の少年兵は残っていた
じいちゃんは気になり、少年兵に話しかけた
続く……
9
自分の落花生を割り、半分づつ分けましたと……
「悲しそうな面すんな、俺んのば半分やっから」
そう言って少年兵は嬉しそうに受け取って食べたと、じいちゃんは話してくれました。
それから、訓練を終え、戦地へ行く前日に東京駅で集合がありました。
続く……
10
その同期兵の中に、じいちゃんより年下の少年兵(信州出身)が居て、
「俺は落花生なんて生まれたばっかりの時に食ったきりだわ、楽しみだ!」と話していました。
皆に落花生を分け、さぁ食べようとしたら、その少年兵の落花生の殻を割ると中身が無かったと……
少年兵は落胆したのを見たじいちゃん……
11
拙者のじいちゃんの話……
じいちゃん、大東亜戦争で徴兵された時に、家族から選別で、1袋の落花生を貰って出立したと……
独り占めするのが苦手なじいちゃんは、食わずに大切に保管してました。
しかし食糧難で、訓練後に食物を求める同期兵達を見て、皆で分けて食べようと決めました。
続く