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電車で知らないおばさんチラチラ睨んでくるな、コロナって思われてるんかなって思ってたら、おばさん降り際に私のところに来て「あなたのワンピース本当に素敵!良く似合ってるし、こんな天気の日に地味な車内全体を明るく彩ってくれてありがとう、ずっと言いたかったの、じゃあね、いい週末を」と。
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あぁ、知らないことを疑うところからはじめないで、もっと世界をポジティブにとらえる素直さを身につけないと〜って猛省しながら、「あなたの言葉で私の週末は既にとても良いものになりした、ありがとう!」って返事した。
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私の訳し方が悪く、このおばさんにアドリア海のマダムジーナみたいなイメージを持たせてしまったようなので訂正。実際はデンマーク版藤山直美のイメージで「ちょっとお姉ちゃん、そのワンピースええわぁ。よう似おてるし、毎日こんな天気ばっかりやさかい、景色がパぁッと明るなったわ。おおきにね。」
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日本の「新米ママ」とか「新米教師」と同じ意味で良く使われる表現、デンマークでは「焼きたてパパ」「焼きたて教師」。米とパン、それぞれの風土が良く現れてておもしろい。日本語に訳すと語感がかわいいな、焼きたてパパ。
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デンマークの良いところは、みんな世界が早いスピードで変わっていくのをちゃんと知っていて、どの世代も常に自分を最新アップデートしてついていこうっていう意識が高いところ。どの職業でも講習会や研修がさかん。初期バージョンのまま昔からタイムスリップしてきたみたいなおじさんは中々いない。
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デンマークには「ヒュッゲレイシズム」という言葉があって、特に若者の間に無意識的に当たり前に存在する。職場でも前からよく話題に上がってる。ヒュッゲは最近英語でも日本語でも通じるようになったけど、ヒュッゲ・レイシズムは「気楽な」「楽しくて心地の良い」レイシズムのこと。↓
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例えば仲のいい友達同士の間だけで、「黒人」っていうあだ名をつけたり、自分の見た目(特に白人でないデンマーク人)に関することを「自虐ジョーク」の様に言って笑いを取りに行ったり。「本人が面白いと思ってる」体で交わされる「楽しい」会話なんだけど、どうであれレイシズムはレイシズム。
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具体的には、アダプションで、見た目がアジア人のデンマーク人が「私犬食べるし!」と言って友達を笑わせることとか。中東系の見た目だと名札に自分で「モハメド」って書いて周りから馬鹿じゃんって笑われたり。本人から始めると、周りもそれに乗っかってふざけあってそれが「ヒュッゲ」。
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ここで育った移民2世以降の子たちが、自分の親や家族の習慣を笑い話にして周りの注目/人気を取りに行くのもそうかな。あまりにも自然に存在していて、どうしてヒュッゲレイシズムがダメなのか、なぜそれを自分たちは面白いと思ってしまうのか、生徒たちに考えさせると全く気がついてない様子だったり。
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言ってみるってサラッと書いたけど、最初からできた訳じゃない。まず気がつかない。楽しくて穏やかな雰囲気に飲まれて流れていって、もし気がついたとしても指摘できない。私は先生という立場で意識すると生徒には楽に話せるのだけど、同僚によっては難しく感じる。指摘されない側は気がつかないまま。
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若者だけじゃなくて大人も結構いるかもしれない。「自分はレイシストじゃない」と自信を持って言い切るし本当にそう思い込んでる人がほとんどだけど、デンマークのヒュッゲレイシズム文化の話をして、本当にそうかなって言ってみる。個人的に思う事も考えた事もここには書ききれないくらい色々ある。
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ちなみにちらほら聞く、アジア人だからコロナだろっていうナンセンスな差別に出会ったこと、この国で私は全くない。
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日本が心配になってきて、何も出来ず、各国の偉い人の国民への「家にいなさい」呼びかけスピーチを色々見てた。私はやっぱりデンマーク女王様のが好きだった。10日前の中継。女王様が毎年恒例のの大晦日以外にスピーチを行うのは戦後初めて。王室の公式インスタに抜粋されてた部分を訳します。↓