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今日の料理講習依頼者くんが料理できないレベル完凸で、スーパーで「キャベツとレタスの区別がつかない」「鶏肉が白くないのはなぜ?」など、料理の前に教えなきゃならんコト盛りだくさんだったし、不安になって包丁や俎板の有無を聞いたら「包丁は分かるけど俎板がどれか分からないです‼︎」だって。
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内装屋の友だちが「新型コロナが蔓延し始めた4月以降は授業や部活が無くなったせいか、チカラを持て余した小中高男子が家で暴れて壁に穴が開いたり、トレ器具を床に落としてフローリング割れたりするから修繕の依頼が多くて忙しい。」と話していた。令和版「風が吹けば桶屋が儲かる」斯くあり。
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依頼者「オレ母子家庭なんすけど母さんがメシ作ってくれたこと1度もなくて。食卓にスーパーの惣菜かコンビニ弁当しか出たことないから調味料をあんまり見たことないんす。何味とかも分かんないし。でも来月、母さん東京に来てウチに泊まるからメシ作ってみようと思ったんすよ。」
オレ号泣。
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「肉じゃがの味付けに使われてる調味料って分かるかな?」って聞いたら「肉じゃがの素」って返されて心配になり、「醤油と塩と味噌の違いは分かるよね?」って聞いたら「液体と粉と粘土みたいなやつ。味は全部同じ…?」って返されて膝から崩れ落ちそうになった。3時間コースが8時間まで延びました…。
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依頼者「オレはハンバーグとか唐揚げが食いたいんすけど、母さんはいつも幕の内弁当食ってたから幕の内弁当の作り方を教えてください。好きなんすよ、きっと。」
号泣オレ「お母さんのことが大好きなのはよく伝わったけど、いきなり幕の内弁当を作るのは難しいから、まずは涙拭いて鼻かんでいい?」
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チョット真面目な追記をしていきます。
「食育」という言葉を耳にするようになって久しい(2005年 食育基本法成立)のだが、ことシングルマザーや共働きといった家庭においては子どもへの食育を行うのが困難な状態なのだと感じた。
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補足。
依頼者いわく
ハンバーグはハンバーグ味
唐揚げは唐揚げ味
エビチリはエビチリ味
ってコトみたいです。
醤油味や塩味って感覚がないんだって。
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逆にガラス屋は「大口顧客とも言うべき学校から子どもたちが消えたことにより、暴れて教室の窓ガラスが割れたり授業や部活でボールが当たって体育館の窓ガラスが割れることが無くなって修繕依頼が激減した。」と話していた。同じ建物修繕でこの違いとは。経済の仕組みで一喜一憂の違い。厳しいなぁ。
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追記しました。
各家庭の経済事情や食育とか難しいコトは分からないけど、何歳からでも構わないから食べることが楽しいと思うことが出来たら、それを知らなかった過去よりもほんのチョットだけ幸せを感じられるのかも知れない。感じてもらえたらイイなぁ、という話です。 twitter.com/soukitty_guy/s…
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泣き止んだオレ「いきなり幕の内弁当は難しいし何より手間かかるから、煮物・お浸し・味噌汁という基本の和食にしよう。そこに和風ハンバーグも付ければ依頼者くんも満足できる献立になるだろ?」
依頼者「幕の内弁当じゃなくても母さん喜んでくれますかね…それ以外を食ってる姿を覚えてなくて。」
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特に最近では親が生活困窮者で子どもの給食費や運動会の弁当などを用意できないなどのケースもあり、そういう家庭にあわせて、生活レベルが露呈するのを避けて手作り弁当の持参禁止の学校もあるのだとか。以前出会った子は食べるという行為に感情の昂ぶりはなく、(続く
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ましてや第三者が「不幸だったろう、つらかったろう」と決めつけるなどあってはいけないのだ。(ホントにヤバいネグレクトのケースもあるから、気付いたら通報してあげてね。)それなのに食に関心が強すぎる僕は勝手に間違った感情移入をして泣いた。失礼な行為だったと思う。そこでこう考えた。(続く
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味も感じないから無感情に口に運び胃に流し込むだけだと言っていた。その子は食品が腐ってるからどうかの区別もつかなかった。聞くと、ただ「食事を作る時間がなかったからコンビニ弁当にした」というだけではない、ネグレクトに繋がりかねない子育ての根本に問題が生じていた事が分かった。(続く
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まぁ興味がないんじゃ仕方ない。僕も車に全く興味がないので知識ほぼゼロ。早く走るよね、くらいのレベル。究極、これと同じなのだと思った。ただ、生きる上で必要な食うという行為なので重い問題にされがち。しかし大人になるまで大きく成長したのなら大した問題ではなかったのかも知れない。(続く
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依頼者くんが「母さんより料理が上手になったら母さん嫌がらないかな…ムカつくって思われたらどうしよ…」って言った時にはギュッと抱きしめそうになったけどギリ平静を保ち「そゆコトは5秒で玉ねぎ切れるようになってから考えよ?」ってイヤミ言った。ホントは一生懸命な姿にキュンだったクセに←
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オレ「幕の内こだわるねwでもきっとお母さんはね、依頼者くんが頑張って作ってくれたメシなら、なんでも喜んで食ってくれると思うよ。」
依頼者「美味いの作りたい…。」
オレ「その為のオレだよw簡単でテッパンなレシピ教えるけど、何度か作って練習しようね。」
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最初は実際の味・味覚の表現(甘い・塩っぱい等)・味への感情(おいしい・まずい・好き等)が全く一致せず言葉にするのに時間がかかったけど、「ぼく、笑いながら食べてるw」と気付いたあたりからおいしい…たぶん好き…塩っぱいけど好き…甘いけど苦手…と、味と味覚と感情が一致するようになった。(続く
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「食沼に五体投地ダイブしてる食ヲタのオレが食チェリーボーイを美味い毒で冒して騙して引きずり込む神(闇)回」とするのだ。彼の生い立ちがかわいそうだったからとかじゃない。ただ僕のいきすぎた趣味を知ってもらって、あわよくば食が大好きになってもらったら僕の勝ち!みたいなこと。(続く
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「自分ではなく、大切な人の為に。」って想いに弱い上に「不器用だけど一生懸命に打ち込む姿」が好きなんだなオレは。危うく好きになるかと思った←
「子供の頃ワガママ言えなかったんすよー。」っていうわりに「毎回の練習、奏さんに居てもらいたいな…」って甘え上手な一面を見せやがって‼︎←
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(サラッと書いたけど3ヶ月で10回以上いろいろ試してようやく得た結果です。)ケースは様々だけど、今回の連投ツイートの最初に出てきた「母さん大好きだからメシ作る大作戦」の子は、食事自体は好きだし家族も好きだから然程心配はなかったのだが、食に対する関心は極端に薄い子だった。(続く
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まだ何も知らない若くてカワイイ子を新しい体験で悦びを覚えさせてズブズブにして引き返せなくさせてやりてぇ。そんなゲスな思いを胸の内に秘めて脳内で犯し続けてやるのだ。だからこれをここまで読んでくれたみんなも「かわいそう」ではなく「新しい趣味に出会えて良かったね」と思ってほしい。(続く
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そこで、様々な野菜や肉などを生・加熱・加熱して味付けなどして食べ比べてよく味わってもらって「どれが美味しかったか順番を決めてごらん?」と笑い話を交えてクイズのように楽しんでもらいながら食べてもらった。(続く
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ってな具合で和定食を教えるコトになったけど食材の選び方以外に「食事・料理とは?」って話もしてたら時間が無くなったため、今日はまず基本的な野菜や肉の切り方・炒め方・味付けの仕方を教えるトコで終了。先方都合とはいえ事前の打ち合わせが出来ないまま当日を迎えたら、とんでもないコトになった
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まぁオレと出会ってしまい、見えない粘ついた糸で絡め取られたことは確かにかわいそうなんだけど。
という
大変そうな子と出会ったら実はイイ子で、ホントにヤバかったのは僕だったというオチ。(おわり
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そして壁の穴を見た父母様方が「学校側がいかに子どもの体力・精神力を上手に削り疲労させ帰宅させてくれていたのか」ってことに気付き「我が子一人でこんなに大変なのに一度に何十人も相手をする先生はどんだけ大変だったんだ…」と思い直し、互いに労い合い、共に子どもというラスボスに挑む戦友にw