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メリクリで年の瀬で、寒い日が続くせいか、神海先生とした、ある日の打ち合わせのことが思い出されて、ちょっと深夜につぶやかせていただこうかな、なんて(笑)。
ソルキャの、これまでの打ち合わせの中で、12時間かかった回があります(これが最長です)。
去年の冬のことです。
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それは、ズバリ「木戸雅編」の完結回の打ち合わせでした。
………いや、すみません、もっと正確に言うと、「弦野編」の導入について、死ぬほど悩んだ回の打ち合わせです。
街のチンピラが鳴苑女子の2人に絡んだ際、弦野が颯爽と現れる、あの回ですね(笑)。
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実は、当時、「弦野編」に突入していいものかどうか、わたくし担当は、かなり悩んでいたんです。
いやいや、弦野編に自信がなかったわけではなくて、むしろ逆で、この弦野との話はメチャクチャ熱くて面白い話になるだろうなと燃えていたわけで。
ただ、だからこそ不安もあったのです。
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面白くなりそうだからこそ、時間をかけて作り込みたい。今、駆け込むように弦野編に入って行くのは、もったいない気がする。もっと練り込めるはずだ。
そんなことを神海先生に話して、他の色んなエピソードの構想を出しまくったのです。
自分自身、弦野編が一番面白いことを分かっていながら。
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神海先生も、その意見には同意してくださりながらも、少しのモヤモヤを抱えながら話すわたくし担当を見て、どこか腑に落ちない様子だったことを、今でもよく覚えています(笑)。
打ち合わせが9時間目に突入する中、そんなわたくしに神海先生は言いました。
「キムさん、あのね……」
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「たぶんキムさんが言ってることは、すごく正しい。あんたはいつも、色んなこと考えて、客観的な意見をくれる。でもね……」
…………(キム沈黙)
「でもね、目の前に一番面白い話があるなら、おれはそれやりたいです。練り込みとか関係ない。今やれる最高の話を読者の皆に、オレは届けたい」
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そういえば、そうだった。
この男は、前作のときから、読切のときから、連載が始まってから、いつのときでも、ずっとこうだったなと。
なんだか、わたくし、自分のことが猛烈に恥ずかしくなってしまいまして…(笑)。
覚悟の仕方が、まるで違うじゃねえかと。何を考えとるんだ自分はと。
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そこから3時間……腹をくくった2人で、怒涛の勢いで弦野編を練り上げました。
もちろん、それ以降の打ち合わせでも、ああでもないこうでもないと、ケンカしまくったのですが(笑)。
で、打ち合わせが終わってから、これが初めてだと思うのですが、2人して一杯だけ生ビールを飲んだのです。
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外、めっちゃ寒かったのですが、冷えたビールが腹に響いて、最高に美味くて(笑)。
神海英雄の姿勢は、あの日からずっと変わってない気がします。
最新話なんて、あのときよりもっと熱い感じに仕上がっています。
2日後、12月27日発売のジャンプNEXT‼︎で確かめてみてください。
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本日のイラスト更新は、もうしばしお待ちを!