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昨日、東京地裁で故・やしきたかじん(敬称略、以下同じ)の闘病生活を描いた『殉愛』(百田尚樹、幻冬舎、2014年)に関する公判が開かれた。元マネージャーのKが、名誉を傷つけられたとして訴えていた。たかじんを看取った最後の妻・さくらと、著者の百田が出廷した。
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原告側の反対尋問でさくらは、たかじんと出会ってすぐに1億8000万円の業務委託契約(介助料?)を結んだことをあっさり認めた。本の帯にある「かつてない純愛ノンフィクション」という言葉に、改めてめまいがした。
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さくらとソリがあわなかったKは『殉愛』では徹底して悪人として描かれている。公判で百田は、さくらの話に依拠して取材・執筆したことを認めた上で、彼女の言葉を裏付けるためにテレビ局や制作プロダクションのスタッフから「できる限り、ウラを取った」ことを強調した。
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でも、Kに取材依頼さえしてないんじゃねえ・・・。裁判官に、プライバシーを傷つけても書くのか問われると「物書きが背負う業。ノンフィクションを書く場合は葛藤があります」と述べた。取材不足と書き方が問題なのであって「物書きの業」などではあるまい。いずれ詳しく報告したい。
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公判の最後に「原告のKさんに何かおっしゃりたいことは?」と裁判長に聞かれた百田は「つらい思いをしたことについては、申し訳ないなと。しかし、物書きとして、もし書くチャンスがあっても、また書いたであろうと思います」と言い切った。嗚呼!
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故やしきたかじん(敬称略、以下同)と妻さくらの闘病記『殉愛』(百田尚樹、幻冬舎)が刊行されて約3年半。悪徳マネージャーとして登場するKが百田を訴えた裁判が1月に開かれ、さくらと百田が証言した。いかにして悪役Kが完成したのか?さくらの証言で明らかになった。kadookanobuhiko.tumblr.com/post/173255854…
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さくらがたかじんと出会った頃、すでに結婚していたことを百田は知っていた。その上で、未婚のヒロインを描いた。一方、彼女がたかじんに出会ってすぐ、1億8000万円の業務委託契約を結んでいたことを百田は彼女から聞いていないという。いずれも何で?という話である。kadookanobuhiko.tumblr.com/post/173279452…
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欲望のためなら、どんなことでもできる人間がいる。恥も外聞もない。それを気にするようでは、目的は遂行されない。口からでまかせの嘘、悲劇のヒロインになりすます自己演出、若い肉体を武器にした接近作戦…。それを見破る者もいれば、気付いても後戻り出来ない作家もいる。kadookanobuhiko.tumblr.com/post/174388564…
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百田はろくに取材もせず、たかじんの元マネージャーのKの月収を書いた。その額が間違っていることもさることながら「こんなにもらっている」と言わんばかりに不特定多数が読む書物で明記した。原告側の弁護士に「あなたの昨年の所得はいくらですか?」と聞かれた百田は・・・kadookanobuhiko.tumblr.com/post/176440259…
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樹木希林逝く。彼女が出演した写真フィルムのCM。現像を依頼した樹木への店員の台詞。当初は「美しい人はより美しく。美しくない方も美しく」だった。樹木が制作者側に異議を唱え「そうでない方も、それなりに写ります」に変わった。朝日新聞5月18日より。知的で諧謔を忘れぬ名優だった。
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『新潮45』が廃刊にならなければ手にしなかった、杉田水脈と小川榮太郎(敬称略)の対談集『民主主義の敵』(青林堂、7月20日発刊)は、放言のオンパレード。まずは杉田から。「男女平等は反道徳の妄想です」(73p)「日本に女性差別なんて存在しないでしょ?」(83p)。今も書店で販売中。
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7月に発売されたばかりの『民主主義の敵』(青林堂)で杉田水脈は「同和差別なんて、もう終っているでしょう? だって私、同和地区出身者が差別されたというところを見たことがないんですよ」と力説している(59p)。知らない=差別はない、という図式は、無自覚な差別主義者が陥りやすい視点だ。
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『民主主義の敵』で杉田水脈と小川榮太郎に共通するのは、あらゆるマイノリティに対する蔑視。「在日が日本のなかでだいぶ幅をきかせ…」(杉田、204p)「在日は本国で蔑まれながら、日本での差別を恐れ、一方では被差別利権に開き直っている」(小川、206p)。嫌悪が言葉ににじみ出てしまっている。
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やしきたかじんのマネージャーが『殉愛』の著者・百田尚樹氏と版元・幻冬舎を訴えた判決が、今月28日に下される。そして『殉愛』のヒロイン・家鋪さくら氏が、関連本「百田尚樹『殉愛』の真実」の版元・宝島社を訴えた判決が、今日下った。妥当な判断だと思う。詳細はまた。twitter.com/Akira_5884/sta…
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さくらが原告の「百田尚樹『殉愛』の真実」を巡る二審は、被告側の主張を全面的に認めた判決だった。百田はノンフィクションを書く際、全て証言を取らなければならないわけではないと主張。この本に関しても、自分やさくらに取材依頼はなかったと証言したが真っ赤な嘘だった。kadookanobuhiko.tumblr.com/post/180501443…
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昨晩の毎日放送の『映像’18 バッシング』は秀逸だった。花田紀凱は『新潮45』問題に関し「杉田論文を最初に問題視したのは朝日新聞」と雑誌で発言したが、本当は毎日新聞。指摘されると誤りを認めつつも「でも、毎日(批判)じゃ売れない」。商売>事実の図式。youtube.com/watch?v=pj2qqT…
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やしきたかじんの側近Kが『殉愛』の記述を巡り、著者の百田尚樹と版元の幻冬舎を提えた裁判。東京地裁は孤独なたかじんがさくらと出会い、本当の愛を知るという図式を際立たせるため、Kを悪人に描いたとし被告に275万円の支払いを命じた。双方控訴せず被告の敗訴が確定した
kadookanobuhiko.tumblr.com/post/181258982…
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歴史学者・呉座勇一の朝日新聞朝刊のコラム。出版に際して参考文献を明記することの重要性を説いている。資料の執筆者への敬意、著者のオリジナリティを明確にするためだという。<参考文献ゼロで「これまでの歴史観は間違いだ」と言われても困る>と手厳しい。そういえば、そんな歴史本があったなあ。
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恐縮です。拙著『ノンフィクションにだまされるな!』(モナド新書)は発売中。同業者の西岡研介との対談付き! twitter.com/aritayoshifu/s…
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いわゆる従軍慰安婦や、その他の論文でも問題が次々と指摘されているハーバード大学のマーク・
#ラムザイヤー教授。部落問題についても書いているので昨年、ブログで検証してきた。12回にわたる連載は長いので、改めてまとめてみた。被差別部落をどう見たかが知れて興味深い。kadookanobuhiko.tumblr.com/post/643811595…
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慰安婦論文が問題視されているハーバード大のマーク・ラムザイヤー教授。2019年に東大で部落問題を語っていた。部落民はもとは貧農で架空のアイデンティティをでっちあげて運動団体を組織し、ゆすり戦略で巨額の補助金を分捕ったとする内容。今まで問題にならなかった不思議。networks.h-net.org/node/22055/dis…