「アイサツせよ!ロード・オブ・ザイバツ=サン!」「ドーモ。ニンジャスレイヤー=サン。……ロード・オブ・ザイバツです」ロードはアイサツに応えた。古事記だからだ!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはカラテを繰り出す!「グワーッ!」瞬間的接近からの連続打撃!決まった!
「嗚呼!嗚呼!年端もゆかぬ子供風情が!」ロードは困惑!マスラダは今や、腕から全身に黒炎を広げ、力に満ちて立つ!黒炎は魔術帽子を、魔術マントを、魔術メンポを形成!そして「忍」「殺」のルーン文字を!「ドーモ。ロード・オブ・ザイバツ=サン」彼はオジギした!「ニンジャスレイヤーです」
光り輝くポータルの中から、ニンジャが出現した!「ドーモ。ドラゴン・ゲンドーソーです」「グワーッ!?」ロードは手を押さえて後退!さらに!「ドーモ。フロストバイトです」「ジャスティスです」「シャドウウィーヴです」「パーガトリーです」「フューネラルです」「ヤモト・コキです」先生方!
「おのれ!何奴!」ロードの最側近パラゴンがサツバツナイトを指さした。「仕留めよ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」ペスティレンスとアーマゲドンが襲いかかる!サツバツナイトはヌンチャクを振るい……「イヤーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!?」殴りつけた!ヌンチャクで!
カーッ!竹を割ったような音が闇の森に鳴り響き、ロード・オブ・ザイバツの邪悪なる闇のニンジャ組合(ザイバツ・シャドーギルド)達の視線が、森の小高い丘に集中した。そこにはフジキド先生が立っていた!「サツバツナイトです!イヤーッ!」ゴウランガ!彼は回転ジャンプし、祭壇にエントリーした!
邪悪なるニンジャ達が次々にアイサツ!「ドーモ。ナイトメアです」「イヴォーカーです」「メイルシュトロムです」「デソレイションです」「ペスティレンスです」「ジャバウォックです」「アーマゲドンです」ナムサン!平和な世に潜伏してきた悪のニンジャ達!終わりだ!「……そして私が」「誰だ!?」
超自然力によってマスラダはオジギさせられた。ニンジャが対峙する時、アイサツは重要な礼儀作法である。それは禁断の古文書、古事記に書かれた掟である。呪いの力が彼にアイサツを強要させた。「ドーモ……ロード・オブ・ザイバツ=サン。マスラダです……!」「「「はははははは!」」」
「約束の子よ。そなたはかつて、神代において余を卑劣なるイクサにて破り、ガイオンの地に封印せし者の末裔なり。今ここで、余みずからがそなたに引導を渡し、ニンジャ世界征服の狼煙とせん。……ドーモ。ロード・オブ・ザイバツです」「……!」「アイサツせよ……マスラダ……!」「グワーッ!」
「グワーッ!」マスラダの背中に「凶」の漢字が光り、苦しめた。「あああああ!」身悶え!心配するタキとコトブキ!シバタとオニヤスはせせら笑う!チバは勝ち誇り、残虐な笑みとともにさらなる攻撃を繰り出した!「カンジ・ジツ!イヤーッ!」「グワーッ!」「禍」の文字!画数が多くて危ない!
「闇のジツは夜よりも深い……」シャドウウィーヴ先生が瞑想的に言った。影が実体化し、教室を飛び回った。生徒達は一生懸命ジツを撃つ。マスラダはヌンチャクを振るうが、影が伸びただけだ。先生は顔をしかめる。「お前はなにか……力が滞っている」「どうすれば」「さあな……」塩対応だ。
タキは事情通じみて説明した。「ノージツ・ノーニンジャが大正義。それなのにフジキド先生、ジャージ着て、チョップとかキックとか教えてっから。一応カリキュラムに入ってッけど、誰も真面目に取り合わねえ。閑職なんじゃねえかなきっと」「言葉が過ぎるわよ!でも……ううん、否めないかも」
「フジオ先生、お前を殺すような勢いだぜ」「やめなさいよ!不用意よ」コトブキが叱った。マスラダは光科のジャスティス先生、氷科のフロストバイト先生の隣、なんだかパッとしない薄汚い先生の視線が気になった。「彼は……?」「ああ、カラテ防御術のフジキド先生か。よくわかんねえんだよ」
そうこうするうちにシンカンセンはガイオン魔法学院駅に到着した。学院は石造りの、歴史ある壮麗な城だ!生徒たちはそれぞれのヌンチャクを手に、「心不全」「実際安い」「電話王子様」などの魔法ショドーが飾られた壮麗なホールの入学式に出席した。懐石料理と先生達の歓迎!
「おやおや、何かと思えば、劣等生のタキじゃないか」筋骨隆々の二人を連れた嫌味な少年がドアを開けた。タキは呻いた。「ゲッ……チバ=サン。それに取り巻きのシバタとオニヤス」「そこのキミ、転校生?バカと付き合うとバカが伝染るぞ。僕の部屋に来なよ」「断る」マスラダはピシャリと言った。
タキとコトブキは息を呑んだ。真っ黒だったからだ。「すごい……」「黒檀に黒鋼……なんだか禍々しいな」「そんな事言ったらダメよ!」マスラダは自分のヌンチャクを見つめた。「誕生日に贈られてきたんだ。編入届けと一緒に。……このヌンチャクでジツを使うんだよな」「おう」「ヌンチャクは触媒よ」
「手を使わなきゃ何なんだ。足か?」「足?やっぱモータルってすげえな。ジツだよ。ジツ」タキは懐からヌンチャクを取り出して見せた。「オレのヌンチャクは楡の木に暗銀の鎖。まあ、安物だけどさ」「わたしは白樺の木と翡翠の鎖よ。マスラダ=サンは?」「おれは……」もらったヌンチャクを出す。
マスラダは頷き、彼を入れた。「ありがとよ。どこも混んでてさ。ヘヘッ……あ、オレの名はタキ。キミは?」「マスラダ」「ドーモ、マスラダ=サン」「ドーモ」タキは通りがかった車内販売からスシを買った。「やっぱガイオンに行くからにはスシだよな」キラキラ七色に光るマグロ。「食うか?」「うん」
マスラダは流れ行く景色を見て溜息をつく。届けられた一枚の封筒で、ガイオン魔法学院とやらへの編入が決まった。あれよあれよという間にこうして見知らぬ電車に乗り、見知らぬ地に向かう。心細かった。……その時、客室ドアが開いて、同い年くらいの男子が顔を覗かせた。「悪い……ここ、空いてる?」
DIEHARDTALES PRESENTS 【ニンジャスレイヤーと炎のヌンチャク】
ニンジャは万能のジツを用い、極めて先進的な文明を築き上げた。彼らは非ニンジャの我々を「モータル」と呼ぶ。そして今、シンカンセンの客室のひとつ、車窓に落ち着かなげにもたれている少年は、モータルのネオサイタマ中学からガイオン魔法学院に編入される。彼の名はマスラダ。このお話の主人公。
西に向かって走るシンカンセンの車窓からは、明け方の海の太陽が見える。シンカンセンの時速は666km。我々の科学力で出せる速度ではない。そう、これは我々の社会の裏側に存在するもうひとつの文明……ニンジャ文明のテクノロジー、「ジツ」のちからだ。
【STOP!】最近の電子セキュリティは極めて強力になっている。違法アップロードするとマルウェア感染し脳が焼かれます!オムロ送れは全て詐欺です!(ピロリポロピーポーピー)
「動物に人権はない!」「さすがに運転はまずい」「電車の質量をわかっているのか!?」「人々が危険だ」……銃声……BGM無音……「コロ太郎ーッ!」……「♪ウィーアー……(大音量主題歌)」……今、動物がもう一度、電車を、走らせる。「……大切なものを教えてくれたよ、コロ太郎」
コロ太郎はかわいい駅長さん。しかし数年前……彼がそれを真に受けて、実際に電車を運転したせいで、大変なダイヤ乱れと混乱が引き起こされていた。地域の皆さんの愛に包まれながらも重点警戒対象となっていたコロ太郎が、今、再び、やろうとしている!(BGMのビートが映像の動きとしつこく同期)