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歴史学の就活生が直面する「『歴史って何の役に立つの?』と面接で聞かれたらどうしよう」問題。昨日の #オープンキャンパス でも触れましたが今一度。真面目に勉強する学生にとってこの問いの意味を考えることは難しくなく、私のゼミ生もこれに説得的に答えたことを評価され希望企業の内定を得た。 1/
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大前提として、歴史はトリビアを暗記する科目でも「偉人」と呼ばれる人の人生から道徳的教訓を得る学問でもない。歴史学を真剣に学んで得られる能力(の例):①多角的視野、②情報収集・分析能力、③プレゼンテーション力、④現代社会への深い洞察力。2/
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「役に立つ」かどうかというレベルをはるかに凌駕した、人として大きく成長したあなたです。高校生の皆さん、「これなら興味持てる・頑張れる」と思える分野・学科を選ぼう。そして自分史上最高に必死に全力で4年間勉強しよう。きっと人生変わるよ。5/5
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「なぜナチスが権力の座についたのか」を知りたいとする。「ヒトラーがいたから」は答えではない。当時の政治・経済・文化・社会状況等あらゆる角度から検討が必要な難問だ(①)。そのために図書館、史料館等を駆け巡って文献と資料を探し回り、膨大な量を読んでこの問いと根気強く向き合う(②)。3/
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自らの見解を導き出せたら、それを論文として説得的に提示する(③)。こうした力はどの仕事や業界でも必要である以上に、社会の物事に広く関心を寄せる、責任ある市民が持つべき力である(④)。つまり、(ここからはどの学問分野にもいえることで)4年間難しい学問と必死に格闘して得られるのは、4/