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児相での里親研修で、印象に残っていることがある。
食育について。
でも、ここでいう食育は栄養や口腔発達のことでは無かった。
家庭での食卓では、座る席が決まっていること。自分専用のお箸やご飯茶碗があること。
これが幼少期〜思春期、そして社会人になった子どもにどう影響するかだった。→
2
多くの家庭では食事の際ほぼ同じ席に座ることが多い。そして、お箸やご飯茶碗は自分専用のものがある場合も多い。
色違いや大きさ違いの夫婦茶碗をつかうご夫婦もいる。
これが子どもの安心材料、安全基地の形成、そして家族という意識の形成に大きく役立っているのだそう。→
3
自分以外の誰も座ることのない自分専用の席というのは、ものすごい安心材料なのだそう。そして、家庭の外でどんなことがあっても、家ではここに座ってご飯を食べることができるということが安心基地の役割があるとのこと。
幼い子どもはもちろん→
4
また結婚などでほとんど家に帰らなくなっても、たまに帰ってきた家に、使い慣れた自分のお箸や茶碗が変わらずにあるというのは、家族のつながりを無意識に心の中に維持する役割を持つらしい。
普段は当たり前のような食卓でも、それが子供にとっては、家族の繋がりや心の安定をもたらしてくれると。→
5
親に心の内側を見せなくなった思春期の子達にも、言葉を交わさなくてもできる心のサポートになるのだそう。
たとえ社会人になり、一緒にご飯を食べる機会がほぼなくても、自分の席に自分のお箸とお茶碗が置いてあるだけでも、心の安定になるらしい。
子が一人暮らしをはじめたら→
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言われてみれば本当にそうだと思った。
当たり前のようなことだけど、本当にそうだと感じた。
日本の個人専用食器の風習は海外では珍しいらしく、あまりないそうです。
最近では、モノトーンで統一したりして専用を作らない家庭も増えてきているけれど、
実はこの日本の風習は→
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追記なのですが、この研修内容は実子がいるご家庭が里子ちゃんを迎える時に、実子ちゃんのケアにも意識するところだそうです。
実子である自分の席や食器が里子ちゃんのものになってしまうと、実子ちゃんの心の安定が崩れることがあるそうです。逆パターンもあるかと思います。
なるほどと思いました。