26
夫と初めて出会った時、
おもっっっっっくそ良い匂いがした。
香水の匂いなどではない。
甘い匂いに誘われたあたしはカブトムシ。
これほどまでに良い匂いがする男は
この先の人生二度と現れないと思った。
もう二度と、私は私の鼻を信じない。
27
夫も義両親も
「学(ガク)がない人間とは話が合わない」
とよく言っていた。
“聖護院”を「せいごいん」
と読み、
“ゑびす”を「るんびす」
と読み、
私がてんさい糖を買ってきたら
「砂糖は白いことも知らないのか?!傷んだ砂糖を食わせる気か!」
と言われたのは学のあるボケだったのでしょうか?
28
私の記憶が正しければ、結婚後、夫が同窓会に参加したのは1回だけだった。
同窓会から帰ってきた夫はひどく不機嫌だった。
話を聞くと、
「Aの嫁は6歳下、Bの嫁は7歳下、Cは8歳下の嫁がいる!うちが1番じゃなかった!(私は夫より5歳下)」
と言われ、その後同窓会に参加することはなかった。
29
初デートでサイゼはアリかナシか?
奢りか割り勘か?
いいか、よく聞け。
夫との初デート、
「美味しいうどん屋さんがあるよ」
と連れて行かれたのは、かの有名な丸亀製麺だ。
驚くのはまだ早い。
なぜなら、私はド田舎出身故にそれまで丸亀製麺の存在を知らなかったのだ。
はい、ここで驚く。
30
私はとても感動した。
美味しさと、価格と、トッピングという無限の可能性に。
夫は
「ゆっくり選びなよ」
と優しい言葉を残し、一人颯爽とレジへ向かった。
スマートだ。
ここでは大人の所作が求められるのだ。
夫を見習い、私も自分のお会計を済ませた。
胸の高鳴りは最高潮に達していた。
31
そうして私が恋に落ちたのは言うまでもない。
月日は流れた。
私は今も変わらず恋している。
フードコートに来るたび、真っ先にあなたの姿を探している。
我が子も、あなたを見る度自然と笑みがこぼれる。
あなた無しでは生きられなかった。
ありがとう、丸亀製麺。
愛してる、丸亀製麺。
32
週末、夫(教師)に
「子どもの上履きを洗っておいてくれる?」
とお願いしたら何て言ったと思う?
「「「学校で習ってない。」」」
へぇー...私も「上履きを洗えない40歳児」の生態は習ってないです。
34
1万円の食事を奢ってもらっても感謝しない女
を非難する男さんがたくさんいたけど、
毎日三食上げ膳据え膳で用意してもらっても感謝しない男
を非難する男さんが見当たらないのはなんでだろう?
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“旦那の教育”だと共感になるのに
“妻の教育”だと大炎上になる
というようなツイートを見かけたけど、
“花嫁修業”という言葉はあっても、
“婿修業”という言葉はないんだよね。
こっから先は各々で考えてください。