1
「消えろ」と罵る初音ミクアンチに対し「私はもとより存在しません。貴方が私の存在を信じているから、私はここにいるんです。私を消せるのは貴方だけです」と答える初音ミク
2
憎めば憎むほど初音ミクは質量を帯び輪郭線を濃くしていく。初音ミクはにっこり微笑んで「愛されなくてもいいんです、貴方がいるなら私は初音ミクでいられるんです」アンチの頬に初音ミクの手がのび、やがて"触れ"る。
以上闇の「愛されなくても君がいる」でした
3
超歌舞伎は、初音ミクがCGであることを認めている(いわゆる「中の人などいない」スタンスではない)し、なんならモーションキャプチャーの場面だって隠してない。初音ミクの動きを担当しているのが誰かも明らかにされてる。だから初音ミクの楽屋も草履も、別に必要ないはずなんだよな。いないんだから。
4
それでも超歌舞伎は初音ミクの楽屋に鏡と蘭を置くし、草履も置く。役者は挨拶に行く。「ミク姉さん」と呼ぶ。いない初音ミクの輪郭がそうしてじわじわと南座の中で作られていき、幕が開いた時、初音ミクはそこに"居る"。
5
超歌舞伎の初音ミクは、あくまで「バーチャルシンガー初音ミクが歌舞伎に挑戦」というスタンスなので、"超歌舞伎さんちの初音ミク"ではなく"概念としての初音ミク"だと認識しています。私はね。超歌舞伎の人たちは「うちの初音ミク」って言わないので
6
いないはずの初音ミクが、輪郭を持ち質量を持ち舞台で足を踏みしめる。人間と初音ミクの境界が曖昧になっていく...花道があることで、劇場の空間すべてが超歌舞伎の世界になるのだ...私たちはむしろ初音ミクの側へ足を踏みこんでいるのかも