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子の発達障害を伝えたとき、「治りますか?」と親に聞かれると、伝え方がまずかったと反省します。治さなければいけない「何か」があると思わせてしまったのが失敗だったと思います。子を「普通」にさせたい親の思いはしばしばトラウマを作って、後から対応困難な問題が色々出てくるように思います。
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発達障害がある子はしばしば、時々社会性のスイッチをOFFにして没入したくなるようだ。なのにずっと無理してONを続けすぎてしまって、スマホの充電が切れたみたいに真っ黒になって不登校になったりする。そしたらまずは、充電器につないで動き出すのを待てばいいのに、弄り回すと逆に起動は遅くなる。
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診断を受けるつもりで子どもを連れてきた人でも、実際に子どもの発達障害の診断を伝えると、高確率で泣かれてしまうようだ。でも、診断は本来、絶望ではなく希望と連帯を生み出すもべきものだと思う。だから、そういう涙に昇華させるための言葉を探して、毎回オロオロしながら試行錯誤をしている。
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トラウマを負って大人になって、発達障害のある子を授かって、子育てがフラッシュバックの誘因になっている、という親子によく出会います。こういう時、親のトラウマを診る視点がないと、子を守ろうとして、教科書にあるような正論を言って、逆に傷つけて混乱を深めてしまうのではないかと思います。
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